この「面白くても理科」やこのあとに続く「どうころんでも社会科」「いやでも楽しめる
算数」など、一連のシリーズの冒頭では、随筆調に自己の学んできた思い出などを語りつつ
「理科が嫌い」「社会がつまらない」「算~~数が苦手だ」という人たちがどうしてそうなるの
かを、ゆっくりと考える。
その中で、好きな人は「ああ、俺はこうだった。そこはクリアしたんだよ。」
嫌いな人は「ああ、そうそう、そうなんだよね」と考え、きっちり作者の罠にはまる。
罠にはめてしまえば、聞く姿勢になるんだけど、やっぱり理科は簡単ではなくて(笑)
作者も時に苦しみながら説~~明をしてくれるのが伝わってきて、それも楽しい。
挿絵の西原氏の漫画も、冴えている。
無関係のようでいて、けっこう掛け合いになっているのもすばらしい。
理科再発見のような本として読んでもいいし、自分ならどう説明するかを考えるのも
よい。理科好きにはぜひご一読を(あれ?? 理科嫌いには?)
本書だけでなく、社会も算数もおすすめ。~
それで、そのいずれでもない人は、少し清水義範のおしつけがましい説明に辟易するかもしれません。それでも、清水の文章力とたまさかの鋭い文化的指摘、あと、西原理恵子の挿絵は楽しむことができるでしょう。
で、自分は、「走っている電車の中で飛び上がった時、どうして飛び上がったその、同じ時点におりてくる」のか、という説明に、そうだったのかと思った口であった。それと、海の生き物をビデオでとるというのは、おもしろそうで、一度やってみたいと思ってみたりもした。