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国語入試問題必勝法 (講談社文庫)

価格: ¥470
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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表題作はバツグン ★★★★☆
表題作は笑いを狙ってっているが一方で真実も含んでいる。
高校受験者や、大学受験者は読んで損ははない。
丸谷をパロったのは敵が悪かった! ★★★★☆
実は国語問題入試必勝法、というのは丸谷才一の大学入試問題批判に端を発したもので、その内容の高度さ、論理展開から言って清水は到底丸谷の敵ではないので、ここでは巻頭の一作目、「猿蟹合戦の分析」だけに絞って考えたい。(まだ丸谷の入試問題批判をお読みでない方はまず読まれたい。「小林秀雄を入試問題に出すな」などは、激烈な調子を持った批判で、これを読んだ後ではさしもの清水のパロディーももうちょっがんばって、といいたくなる)

英米文学科を出、ジェイムズ・ジョイスに通暁し、さらに新古今から現代文学に至るまで膨大な該博ぶりを誇る大家・丸谷は言う。清水は日本に育まれてこなかったパロディを世に出した優れた功績がある、と。

しかし、自分自身の「忠臣蔵とは何か」がパスティーシュされた猿蟹については、「内容がきちんと論じられていないから、評価しがたい」と評している。
これは至極尤もなように思われる。丸谷は極めて西洋的・論理的な思考をする人で、一見訳のわかりにくい日本語の組み立てですら、その歴史的経緯・背景をもとに、明快にその内容を解き明かし、私達の迷妄を払うような名人芸を見せる業師である。ところが、清水の猿蟹では、その論理をフロイト一人に帰してしまって、最後は適当にお茶をにごして終わっているように見える。フロイトが出てくるという目的合理性がつまびらかにされていないし、その論理だけで全てのあだ討ちの原理を説明しようとしている。私にわかる程度のプロットであるから、丸谷が納得なぞするわけはなかろう。

清水はまだまだ、丸谷の大きさを知らないと思ったが、しかし文学賞という賞を総ナメし、文壇の重鎮として君臨する丸谷を先頭でコケにしたというおそるべき勇気にはモロ手をあげて拍手を送りたい。





毒のあるギャグパロディではなく優しいパスティーシュ ★★★☆☆
落ちの切れ味が悪い、
ってゆうか、文体を物真似したパスティーシュで、
落ちらしい落ちが無い話が多すぎて脱力した。
筒井康隆 に比べると破壊力が少なすぎる。
ギャグパロディではなくてパスティーシュなので、
必ずしも笑えなくてもいいのかもしれんが、
笑いの要素が皆無の話もあり期待外れでした。
笑わせようと努力している作品も、
時事ネタも使っているので、
今となっては?の作品もある。
クスリとはするが、爆笑作品はありません。
毒の要素が少ない優しい笑いが好きな人向け。
信長もルノワールも長嶋も偉人として書いてるのは、
普通過ぎる視点で大人し過ぎるよな。
ぶっ飛んだ笑いを期待する人は読む必要はありません。
エーリッヒ・ケストナー の『飛ぶ教室』 の
パスティーシュぽい『飛ばされた教室』読んでから、
清水義範を読み続けるか否か判断したいと思います。

入試国語の本質がわかる本 ★★★★★
『国語入試問題必勝法』(講談社文庫) 清水 義範 (著) は、国語に悩むすべての人にお勧めである。前にも書いたが、僕は高校時代にこの本を読んで入試問題国語観が変わった。


私流「国語入試問題必勝法」と題して、茂木健一郎 クオリア日記の中にも、出てきていた。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/03/post_20.html

入試国語を勉強したい人向けの小説である。
笑えてちょっとタメになるところがニクい傑作 ★★★★★
簡単に言うと、国語入試問題のばかばかしさを題材にしたユーモア小説。「へえー、こうやって、出題者は問題作成の発想をしてるのね」。だから、それを逆手にとると必勝法が生まれるという構成。言っておきますが実用書ではない、ユーモア小説。でも、ちょっと実用的でもある。

難しく言うと、清水義範特有のパスティーシュ(Pastiche)文学の代表作。パスティーシュとは何かというと、パロディとか、作風の模倣とか、いわれるがイマイチ合致しない。風刺+既視感+ユーモア=パスティーシュ、が私なりの定義ですが、じつに訳しにくいフランスの評論家言葉。その難解さは、オマージュとかにもちょっと似てる。