学力よりも知力
★★★★☆
他の方のレビューと重複する部分は省きますが、清水氏は基本的にほめる姿勢でアドバイスをつけている。それと、学校の先生でなく小説家だけに読んで分かりやすいだけでなく、面白い文章が書けるように指導している。優等生の作文はあまりお好きでないようで、自由に楽しんで書かせているので、遊びに近い部分もあるのだが、1年間作文指導をしてきた結果、子供達の知力は確実に上がっていると言う。ここで言う知力とは、国語のテストの点数とか5段階評価などという目先のことではなく、物を論理的に考えたり感動したりできることであり、子供をそういう豊かな人に育てようという姿勢が見える。
やっぱり誉めること
★★★★☆
教育の原点は誉めることであるということを再認識させてくれる本である。
大人でも子供でも誉められることによって成長していくんだなあ。
わが子はなんて下手な作文・日記しか書けないんだという小学生をお持ちの方にお薦めである。なんて間違った指導をしていたんだろうと思うことまちがいなし。
作文は国語の総合力である
★★★★★
作文を書いて、自分の考えを人に伝えるということは、総合的国語力があってこそはじめてできることである。それを見れば能力がわかる。論理的思考力、説明力、描写力、言葉は豊かか、ユーモアがあるか、そして正しい文章が書けるか、それらが全て作文からわかるという。この本は、そんなことを教えてくれる。また、教育一般のことも述べている。古い本だけど、私にとって子どもの作文とは何かを考えさせられた。
人間は成長する
★★★★☆
文章を書く技術の本だと思って読み始めたのだが、全然違っていた。いや、文章を書く上で役に立たないわけでは無いだろうが、技術解説をする事を主眼において書かれた本ではないという意味だ。小学生の作文の成長記録といった感じの本である。その意味では、当初の見込みとは全く違った本を読んだ事になる。
私が小学生のころを思い起こしてみると、「今日○○があった。××さんがいた。面白かった。」という感じの作文しか書けなかったような記憶がある。それを考えれば作文教室の生徒達の書く文章の質の高さには驚かされる。中には、本当に小学生が書いているのだろうかと疑いたくなるようなものまであった。特に1年間の授業が終わるころの作品はかなりの出来である。私も含めて平均的なレベルの大人では到底書けないくらいである。「人間って成長するんだな」と実感させられ興味深かった。
子供の書く作文って下手な小説より面白い
★★★★★
この本は、小説家である清水義範さんが、弟の経営する学習塾で小学生に作文の書き方を教え始まったことをきっかけに書かれたものです。塾生の作文を載せ、清水先生がそれに対して指導していくさまがよく伝わってきて、塾生の作文が上達するさまが面白く書かれています。現在の塾に見られる機械的な教え方ではなく、人対人の人間的なふれあいが実によく伝わって、是非塾や学校の先生、または子供を持つ親に読んでいただきたい。文章を書く人にも参考になる一冊です。