【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:バーバラ・W.タックマン/著 町野武/訳 出版社名:筑摩書房 シリーズ名:ちくま学芸文庫 タ23-3 発行年月:2008年07月 関連キーワード:ケツテイテキ シユンカン アンゴウ ガ セカイ オ カエタ チクマ ガクゲイ ブンコ タ-23-3 けつていてき しゆんかん あんごう が せかい お かえた ちくま がくげい ぶんこ た-23-3、 チクマ シヨボウ チクマシヨボウ 4604 ちくま しよぼう ちくましよぼう 4604、 チクマ シヨボウ チクマシヨボウ 4604 ちくま しよぼう ちくましよぼう 4604 ある暗号電報の解読が、世界史を変えた!第一次世界大戦の勃発から2年半、欧州戦線は膠着し、850万人の死者を出してなお出口の見えない泥沼が続いていた。アメリカが参戦しないかぎり戦局は動かない。しかし当のウィルソン大統領はあくまで中立を貫く。そんなある日、1本の暗号電報を傍受したことから、英海軍諜報部が動
歴史は最高の知的エンターテイメント
★★★★☆
まず文句なく面白い。日本人にはなじみの薄い(参戦しているのに!)第一次世界大戦のアメリカ参戦にまつわる事実を丹念に追いながら読者を退屈させず一度読み始めるとやめられない面白い本に仕立て上げるタックマンの筆力に感謝。同じ第一次大戦ものの「八月の砲声」にはちょっと劣るかもしれないことと、日本に関する記述は後知恵でいろいろ知っている日本人には確かにちょっと不満という点で星4つにした。
しかし、逆に言えば、当時の日本が欧米の政治家や知的な人々からこのように見られていた(連合国から離脱してメキシコとともに米国を攻撃する可能性がある)という事実は衝撃的だ。
日本人の多くは第一次大戦の米国参戦と言えば「客船ルシタニア号のUボートによる撃沈」に怒ってという理解ではないか。しかし本書を読めばわかるようにそれほど単純ではない。米国にはドイツ系住民が多くまたドイツの巧妙な世論工作や、元から強い戦争を嫌う世論などから客船一杯程度の撃沈では参戦に踏み切れなかった。しかし、ドイツがメキシコと日本を組み合わせて背後から米国を攻撃する工作を行っていたとすればもはや米国の中立はあり得ない・・・
英国の暗号解読能力の高さ。それも日本のように役人が主導するのではなく、能力のある民間人の能力を最大限活用しながら。この本の主役は間違いなく英国の暗号戦を勝利に導いた海軍のホール提督だ。部下の能力を活用できただけでなく最高の瞬間に最も効果的に解読した情報を利用した。
第一次大戦中の日本といえば、大隈と寺内の内閣だ。後世の我々が良く知っているように日本に米国を攻撃する力などなかったし、そんなことを現実に考えていた有力政治家・軍人はいなかったろう。しかし、おそらくタックマンの情報源は当時の米国の諜報筋なのだろうが、どうも多くの軍人や外交官が不用意な個人的な発言をあちこちで行い、それが情報として米国政府関係者に上げられていたようだ。それが連合国の間に日本への不信感を呼び、結局日本は損をした。その後の日本に対する英国や米国の政策にも悪影響を与えたに違いない。
タックマンはドイツの政治家・軍人は自信過剰で相手の能力の高さを理解しなかったと非難する。日本の政治家・官僚などはそれよりも能力が低いわけだが、もし、日本に能力の高い政治家や外交官が当時いたなら、当時の状況をうまく活用し連合国側に誠意を見せ付けることによりはるかに大きな見返りを得られたのではないか・・・・などと いろいろ考えられるところが歴史の面白さだ。
冒頭から核心に切り込む駄文の無い傑作
★★★★★
著者のタックマンには、ケネディ大統領が米国の外交政策立案者らの必読書に指定した『八月の砲声』という名著があるが、本作品も前著に勝るとも劣らない傑作である。『八月の砲声』は第一次世界大戦が定説のとおり、当事国が故意に起こしたのではなく、大国の不注意や誤謬、失敗、過信などが開戦を惹起したことを明らかにしたが、ヨーロッパを舞台にした戦争であり、連合国と同盟していた日本にとっては遠い出来事と言う印象であった。ところが、第一次大戦の転換点を記す「決定的瞬間」を読んで、せいぜい日本の動きは三国干渉で取り上げられた失地回復をアジアで図り、あわよくば大陸進出を考えていた程度と考えていたことがいかに誤りであったか痛感した。両世界大戦に大国アメリカのプレゼンスは圧倒的だが、まさか、ここにメキシコ、そして日本が大きく登場しようとは思わなかった。文章も正確かつスピーディーで一気に読了してしまった。巻末に「ツィンマーマン」電の暗号文とドイツ語と英語の復号後の対比表が収録されており、臨場感が一層高められた。今から50年前の作品であることを全く感じさせない。
これは当たりでは?
★★★★★
本屋で見かけて即注文&入手です。 この本、復刻なんですね。
細かい説明が書いてないので内容が分からず困っている方も居ると思いますが、1冊まるごと「ツィンメルマン電報」の本です!
ツィンメルマン電報についてはWikipediaに詳細に載ってましたから、そちらを見て下さい。
(古い本ではツィンマーマンと書いてあったりしますが、ドイツ語読みか英語読みかの違いで同一です)
この資料は、私は覚えている限りではサンケイ新聞社出版局の「暗号戦」にやや載っていたくらいで、
後はせいぜい数行〜十数行くらいのボリュームで暗号関係の資料で説明がある程度だと思います。
だから私も実は細かい事まで知りません...
「八月の砲声」の著者ですから、内容の裏取りはきっと大丈夫でしょう?
(私は、諜報関係の資料の裏を取るのは一個人ではできないと諦める事にしましたので...)
なかなか参戦を決めないウィルソン大統領にはイライラしましたが(笑)
#表紙はUボートの攻撃を受けて撃沈される英戦艦です(艦名までは不詳...)