ビジネスマンの正義
★★★★☆
明治時代に活躍した銀行家・事業家であった著者の講演集。儒教的な道徳を根底に据えてビジネスを展開することこそが、持続的な繁栄を実現するために肝要であると説くものを中心に、様々な視点から、繁栄に向けて歩みを続ける日本のために、青年がまた老年が行動する場合の指針を説く。特に「富貴は人類の性欲のようなもの」という言葉には、背景となる道徳観が人格を透徹していることが見えて、頭が下がった。江戸末期から明治にかけての偉人たちとの交流も現在形で話が進むことも、新鮮な面白さが有る。現代語訳されており読みやすい。