京都弁がポイント
★★★★★
この本実話かと思ったんですが、フィクションらしいですね。びっくりしました。私は映画を見てからこの本を読みました。映画ははっきりいって「いまいち」だったので、本にはやや期待を持って読みました。期待はあたりましたね。いい本です。アメリカ人が芸妓の視点に立ってここまで細かくストーリーを作っていることに、驚きを覚えました。いや、逆に、著者が外国人だからこそ、尊敬と憧れの念を持って、ここまでの作品に仕上げられたのかもしれません。映画化される作品にありがちなのは、ストーリーを映画用に変えることですが、この本に関しては、映画はとっても忠実に再現されていたと思います。日本人のキャストがほとんどいなく(メインどころは工藤夕貴くらい??)ちょっとがっかりではありましたが、初桃、豆葉、会長さんとかなかなかばっちりのキャスティングだと本を読みながら感じましたもん。なんで、本だと素敵に感じたものが映画だとだめなのか。
それは、きれいな京都弁がポイントです。ということはこの作品は英語で読むとまた感じが違うのかなーーー?英語版も挑戦してみたい。
繊細さに感動
★★★★★
さゆりを取り巻く数々の展開に一気に読んでしまいました。ここまで楽しい本だと他の舞妓さん関連の本を読んでも物足りないかも…と思ってしまいます。とても素敵な内容で、人生の流れを感じてしまいました。一途な思いの中に強さがあり取り巻く人々の人情があり、嫉妬があり、お金の重みもあり読み応え充分です。是非ともお勧めしたい一冊です。
芸者の世界は凄かったー
★★★★★
普段、聞きなれない優しい京都弁で淡々と語られる反面、物語はあまりにも壮絶でこのギャップが凄かった〜
寒村から身売りされ、さゆり...と改名した少女が祇園を代表する舞妓・芸妓に成長し
あるとき出会った”会長さん”を想い続け、様々な苦労に耐え忍び幸せを掴み取るまでの
長くて激しい怒涛のストーリー。
はっきり言って会長さんとのロマンスがメインではありません。
ほとんどさゆりの回想〜語りから始まりロマンス色は薄いほうですが、
どんどん下巻中盤頃から面白くなってくるのです。
あしながおじさん的な会長さんに密かに想いを寄せつつ、片や、さゆりに猛アタックする”ノブさん”をどうあしらい、数々の誘惑を交わす芸者さゆりは女から見てもなかなか魅惑的ですが。
ラストのどんでん返し!でさゆりが取った不可解?な行動が私は好きではありません。
全体的に外国人作家が書いたとは思えないほど面白かったけど、のぶさんが可哀相すぎ!
なるほど売れる訳だ
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あの出来の悪い映画を観た時は、何で原作があんなに売れたのか(しかも米国で)不思議で仕様がなかったのだが、これを読んで納得。
とにかく面白い。(ほとんど一気読み)
まあ、米国人の好きそうなサクセスストーリーだなとは思いましたが・・
翻訳の上手さもあるとは思うが、著者が外国人という感じがほとんど無く、
違和感無く読めたのも良かった。
今でも、アメリカ人が書いたとは信じられない。
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映画に失望した方は特に、この原作を読んで欲しいです。
最後の方の話の運びは、さすがにアメリカ人的なセンスが抜けないなぁと思わせるところはありますが、さほど気に留めるほどのことではありません。
それよりも、花柳界をここまで緻密かつ鮮やかに描き出したのは素晴らしいとしか言いようがないです。日本人にだって、なかなかここまでは書けないのではないでしょうか。日本人以上の、日本への並々ならぬ関心が伺えます。
世界各国で翻訳されているようですが、世界中に発信されても決して恥ずかしくない内容になっています。
アメリカ在住の芸者にインタビューしたという設定になっているところが、作者の自信のなさを垣間見たりしますが、とんでもないです。実際に本物の芸者にインタビューしたそうで、長年の努力が存分に現れていると思います。