狙撃兵の捕虜は珍しい
★★★★☆
「多くの場合狙撃兵は憎しみをもって殺される」という某狙撃兵の言葉に狙撃兵がどれだけ恐れられ憎まれていたのかを知ることができました。スナイパーに投降という言葉は無い。処刑されるのみ。
事実に基づく写真も多いこの本は、本当に色々考えさせられました。表紙写真の南北戦争北軍のカリフォルニア・ジョーことトルーマン・ヘッドの凄まじい表情!。死守という必然の死を前にした日本の不屈の狙撃兵についても少ないが淡々と述べてあります。(淡々とあるだけに涙しそうになります)
必要だが、平時に考えるとやりきれないという気持ちになるのが、狙撃というものとり解しました。
スナイパーの歴史書!
★★★★☆
まず、「スナイパー」の語源を初めてこの本で知りました。
「スナイプ」…チドリやシギ類を指す言葉。
これらの鳥は非常にすばやいため、これらハンターをスナイパーと呼んだことが始まりのようです。これが18世紀頃。
それから銃の歴史と共により遠く、より正確に狙撃を行うことができるようになっていく過程が、よく分かりました。
特に退役軍人など、実際の「スナイパー本人」に対して取材しているので、体験などがすごくリアルに伝わってくる感じ。
そしてその大変さも。
スナイパーは戦場では目の敵にされ、特に第2次世界大戦の東部戦線(ドイツ-ソ連)では、見つかり次第問答無用に…。
これはやはりスナイパーの持つ力の特異性に由来するものだと思う。
本文にも書いてあるけど、「1人を倒せば1000人がひれ伏す。」と古代中国の格言通り、狙われたら確実に命を落とす存在として恐れられていたから。
ただその任務は非常に厳しく、上記の東部戦線では寒さや極度の緊張感から、体力の消耗の激しさから数ヶ月ごとに休養が必要だったという。
こうして大戦中に磨き上げられた技術は、以降の戦争に生かされ、狙撃銃も大きく進歩していったようです。今では射程が1000mを超えることも。
でもこの作者イギリス人のためか、銃の取り上げ方にちょっと偏りがあるかなぁ…。自分の好きな「PSG-1」が最後まで出てこなかったんだよね。
まぁ値段が高いだけの特殊部隊用の銃だし、もしかして有名なのは某スニークアクションゲームの影響からなのかなぁ^^;
全般を通しては、大きな戦争のおさらいにもなったし、技術的にも光学機器の進歩や
弾丸の進歩など、脇役の部分にもしっかり焦点が当てられていて、すごくためになりました。
価格相応の価値が
★★★★★
何でこういうちゃんとした本が、日本の著者ででないんでしょうね。読み物としての質も、資料的な価値も高いです。さらに贅沢を言えば、ベトナム戦争以降の近代についての内容がもっと充実していると良かったです。
デザイン性も良い
★★★★★
「狙撃手(スナイパー)」「戦場の狙撃手」も良かったけど、この本も素晴らしい!
歴史、訓練、戦術、兵器を写真と共に詳細に解説。
1500年〜現代に至るまで。
装丁、カバーともに素晴らしい!
通史っぽい内容なので、各シーンの詳細な説明はありませんが、
フォークランド アルゼンチン軍の狙撃兵についての記述は
マスターキートンをふと思い出してしまいました...