素晴らしい その一言です
★★★★★
往年のジャズの名曲に歌詞をつけ、その旋律を楽器のように歌いこなした『Vocalese』は、マンハッタン・トランスファーの巧さを内外に知らしめた名アルバムです。その年のグラミー賞受賞作ですが、その栄冠にふさわしい完成度は聴けばすぐに感じることでしょう。
1985年発売されて以来、そのジャズ・コーラスの醍醐味に浸っています。技術的な点は申し分なく、音楽のうねり、きらめき、一体感、と心に浮かぶ様々な感覚に翻弄されています。圧倒されてしまいますが、今後このような境地に到達するグループに遭遇できないのでは、という恐れも感じています。それほど従来のジャズ・コーラスの範疇に入らないような別世界へといざなう素晴らしさですから。
3曲目の「Airegin」の疾走感は一度味わうと病みつきになります。人間業とは思えない歌唱力です。シェリル・ベンティーン、ジャニス・シーゲル、アラン・ボール、ティム・ハウザー、それぞれ一人一人の巧さがあるから、このような精緻なアンサンブルが可能なのでしょう。音程とリズムとハーモニーが完璧にコントロールされ、4人の巧さが相乗作用となって音楽の質を高めています。
ジャケットの裏には、1950年代にコーラス・グループで活躍したジョン・ヘンドリックスが一緒に写っています。そのヴォーカリーズを再現してみたいというのが企画の意図のようです。実際、今回の収録にあたっての歌詞もジョン・ヘンドリックスが書いているようですから。
早いパッセージを楽器で演奏するのは難しいことです。それを声で表現するのはもっとコントロールが難しくなってしまいます。全曲を聴きとおして改めて感じることは、人の声の可能性と完璧なアンサンブルから受ける心地よさでした。神業という使い古された表現ですが、ジャズ・コーラスの歴史において特別の存在なのは間違いないでしょう。
都会の雰囲気が満載
★★★★☆
マンハッタン・トランスファー 4人のテクニックが存分発揮されていて今聞いても古さを感じない都会的音楽です。
まさしく「ヴォーカリーズ」の集大成。
★★★★★
マンハッタン・トランスファーの長い歴史の中でも最高傑作との呼び声も高い1985年の作品。彼らお得意の、インスト曲を声を楽器として歌う「ヴォーカリーズ」そのものズバリのタイトルからしても、彼ら自身にとっても王道の作品であり、自信作であると思われます。曲のジャンルもジャズ中心ではありながら幅広く、彼らの代表作と言うのに相応しい内容。卓越した4人のヴォーカリストがこのメンバーになってからだけでもこの時点で10年以上やってるわけですから、完璧なアンサンブルです。(ライブだとさらにすごい)あんなテンション音をよく狙ってスパっと出せるものです。力作な分、ライブでも良く見せる茶目っ気の部分は今作では影が薄くなっています。じっくり聞き込んでも、オシャレなBGMとしても○。
数多いアルバムの中で出来は最高
★★★★★
マンハッタン・トランスファーはよくジャズじゃないとか言われるが、センス、コーラスのうまさ、アレンジ、聴かせ所を心得た歌い方など、やっぱり現代アメリカを代表するコーラスグループだ。ジャンル分けなどどうでもいい。やっぱり音楽は楽しくなくっちゃ。もう20年も前のアルバムだけど古びていない。数多くあるアルバムの中でも出来は最高の一枚だろう。一曲目の「ザッツ・キラー・ジョー」ニューヨークの「粋」を聴いてほしい。ソニー・ロリンズの名曲「エアージン」もいいね。このアルバムはマンハッタン・トランスファーの代表作。(松本敏之)
数多いアルバムのでも出来は最高
★★★★☆
マンハッタン・トランスファーはよくジャズじゃないとか言われるが、センス、コーラスのうまさ、アレンジ、聴かせ所を心得た歌い方など、やっぱり現代アメリカを代表するコーラスグループだ。ジャンル分けなどどうでもいい。やっぱり音楽は楽しくなくっちゃ。もう20年も前のアルバムだけど古びていない。数多くあるアルバムの中でも出来は最高の一枚だろう。一曲目の「ザッツ・キラー・ジョー」ニューヨークの「粋」を聴いてほしい。(松本敏之)