もっと切り込んでほしい
★★★☆☆
茂木さんにたいして悪意はないが、本の出来はまあまあという感じですね。茂木さんの全般的な特徴はとても恵まれた環境に生まれ、そこで努力した経験則を語っているので、現代のように家庭の経済力で高校進学も難しいというような人が読んで役にたつのかどうか。脳科学者であるなら、そういう弱者にも役たつ研究をして欲しいですね。最近、売れている勝間さんにしてもそうであるが、家庭の環境でたまたま良い会社に勤めてそこで知識を得た為に、売れる本を書いています。ただ両者に共通しているのは、そういう恵まれた環境でない人が、道を開く方法に触れていない点。そういう意味では、中身が薄い。痴呆症患者に役たっている川島教授の方が、まだ数段レベルが高いですね。自分視点でなく、せっかく脳科学を勉強できる環境にいるのあるから、本当に社会の底辺から立ち上がるような本を書いて欲しいですね。
「健やかに生きるための考え方、生き方」を、脳科学者の視点で語った一冊
★★★★☆
この本の「はじめに」の所にも書かれていますが、「脳には生きる術がたくさん詰まった「道具箱」としての役割があり、その道具一つひとつの秘密を解き明かしていく」のがこの本の内容です。といっても脳の働きを専門的に語るような本というよりは、いわゆる「健やかに生きるための考え方、生き方」の本に近いものがあります。しかも他の生き方本のように、「こう考えてみよう」だけではなく、それを「脳の働き方」の目線から説いているのは、脳科学者:茂木氏ならではの目線です。そしてこの本は「脳科学のことはよくわからない」という人々にも読みやすく書かれていますので、難しい専門用語は極力使わず、専門的事項はかなりかみ砕かれて書かれています。私は脳科学の難しいことは全くわかりませんが、この本はそんな私でも興味が持てる内容になっています。
全体が1時間目〜7時間目に分けられて、それぞれの終わりに内容が箇条書きでまとめられているという構成です(余談ですが、この箇条書きは、内容を整理するのに非常に役立ちます。)。そしてTVで「アハ体験」を語られている茂木氏の印象が強い私にとっては、中でも特にとっつきやすかったのは、5時間目「一日一バブルを脳は求めている」です。
ここでいう「バブル」とは、「あ、そうか」「これはすごい!」という「ひらめき」のような、突発的な脳活動のこと。茂木氏がTVのバラエティー番組でもよく言われていることですが、ここではより突っ込んで説明されています。
また、別の章でも「自分の好きな音楽を聴く」ことが脳にもたらす良さが書かれている点や、「文学作品で無意識世界を意識化させる」所などは、音楽や本に触れることが多い私にとっては、非常に身近な事柄で脳を活性化させることができるのだと実感することができました。
ただ、そんな中でも特に心に沁みたのは、「コミュニケーションで脳の道具を鍛える」という章の中の「見落としていた生活の中の喜び」で語られている茂木氏のエピソードですね。「目の前の相手に集中すれば、自ずと脳が教えてくれる」ことを、茂木氏自身が自らの対談番組で実感したエピソードは、コミュニケーションに苦手意識を持っている私は非常に学ぶことが多かったです。
脳に良い刺激になるのでは。。
★★★☆☆
難しいことを考えず、タイトルに惹かれて購入しました。脳科学というと難しそうなイメージもありますが、学術的な話より実生活と経験に基づく内容だったので、気楽に読むことが出来ました。
本文で取り上げている「バブル力」や「おねぇ力」も興味深し視点だと思いました。
最近読書量が減っているが。。。なんて人には良い刺激になるのではないでしょうか。
脳の活用法3部作
★★★☆☆
本書は『脳を活かす勉強法』『脳を活かす仕事術』に続く,「脳を活かす」シリーズの第3弾である.
著者は脳科学者ということで,これまでのシリーズと同様,最新の脳科学の研究成果を織り交ぜながら,脳科学の見地から生活する上での極意を披露している.脳には「ミラー・ニューロン」「楽観回路」「バブル力」「笑い」「ドーパミン」「おねえ力」「偶有性」などといった様々な生きる上で重要な道具が詰まっているという.その道具たちを独立して使うのではなく,組み合わせて使うことにより,変化の激しい世の中を生き抜く知恵を得ることができるという.
前2作と同様,本書も様々な人に可能性と前向きに生きて行く力を与えてくれる.
前向きな気持ちになれた
★★★★☆
タイトルの通りです。
茂木さんが人生をものすごく楽しんでいる様子がありありと
わかりました。
とにかく「偶有性を楽しむ」これだと思いました。
「脳にバブルを起こす」など考え方が斬新でおもしろいです。
それから、「人生に正解はない」ということを早いうちに知ったほうがいい、
と書いてありますが、このくだりには非常に救われました。
「すべては考え方次第」ということなんですよね。
最後の「おわりに」にこの本で言いたいことが凝縮されていると思いました。
脳が喜ぶ生活習慣を毎日の暮らしの中で身につけていくこと、
それが自分らしい人生を全うするためには何よりも肝要。
生命の本質とは、このような「出合い」と「別れ」の中で育まれていくもの、
だということです。