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さらば甘き口づけ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

価格: ¥966
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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深い余韻を放つ純文学的探偵小説 ★★★★★
人探しを依頼された酔いどれ探偵のスルーに、ひょんなことから同行することになった酔いどれ作家のトラハーン。ふたりとそれを取り巻く登場人物の精緻な描写がストーリーの核。事件そのものや謎解きは二の次。アメリカでは純文学のジャンルに分類され、なおかつ探偵小説としても高い評価を得ているというだけあり、濃密な情景描写、登場人物の設定の妙は読み応え十分。文章から深い余韻を感じる。ジェイムズ・クラムリーの代表作であり。文句なく★5つ。
今ではシュグルーなんだよな ★★★★★
間違いなく、クラムリーの全作品中、もっとも完成度の高い作品。好みから言えば、やや甘い「酔いどれの誇り」の方が好きなのだが、読後感はこちらが上。本国では純文学扱いという事からもわかるように、ハードボイルドとしては、かなり変則的。むしろロード・ノベルといった方がいいと思われる作風だ。失踪した作家を探し出す仕事を請け負ったC.W.スルー(最近の邦訳ではシュグルー)が、見つけた作家と意気投合、酒場の女主人の家出した娘の行方を追う、というのがおおまかなあらすじ。その道中に知り合う、心に傷を負った様々な人間達の描き方が絶妙で、何度でも読み返したくなる。独特なユーモア感覚も素晴らしい。
随所にちりばめられた「泣き」に足をすくわれてしまう ★★★★★
 ネオ・ハードボイルドの系譜に連なる作品ではあるが、時にメロウに、そしてウェットに綴られる〝泣き〟ハードボイルドと言えるだろう。

 『長いお別れ』へのオマージュがそこかしこにのぞくが、どちらかといえば大鹿マロイ的な泣きなんだなぁ。卑しき街をゆく高潔な騎士は、もはや酔いと涙の向こうに霞んでしまわざるを得ないのか。

 「宿酔にかかったところがすべてうちですよ」。酒に関するウィットに富んだ多くのフレーズも印象に残る。

謝るのは弱虫の証拠だとジョン・ウェインは云った。 ★★★★★
作者クラムリーの顔写真を見ると、まさに、主人公の探偵スルーそのものである。腕っぷしが強い、酔いどれ、根が純情そう、ロンリーハートといった風情が本人にも濃厚にある。失踪した娘を捜すという端緒とセックスが通奏低音のように響く展開はマクドナルド的だが、ヒッピー文化以降の70年代アメリカはさらにセックスが全面に押し出される。娘ベティ・スーが出演したポルノ映画をめぐる展開は強烈な印象を残す。
陳腐だか「女とは・・・」 ★★★☆☆
“The Wrong Case”を読んでCrumleyが気に入り、続けてこの作品を読み始めた。前作と同じ名前の町で、同じような内容の仕事を請け負っている探偵が登場したので同じ主人公かと思うとそうでは無かった。相変わらずアル中が登場するがグラスの底に人生を見るのではなく、缶ビールを飲みながら活動している。依頼された仕事の目的であるアル中の作家を発見し、アル中犬・火の玉ロバートとも出会った。そして、酒場の女主人から10年前に失踪した娘の捜索をたった87ドルで依頼され、仕方無しに請け負って数日で結論を出して終えるつもりが、火の玉・ロバートを伴った旅の始まりとなる。40歳まえの探偵が16,7歳の女の子との瞬間的な交流で“Youth endures all things, kings poetry and love. Everything but time.”という心理描写があるところで「フムフム・・・」と思ってしまうのは私自身の年齢の所為かもしれない。失踪した娘Betty Sueと火の玉・ロバートとの交叉する所がこうなるとは・・・。それと、Betty Sueの魅力を理解できた人が、そこを中心にレヴューを書いてもらったら読みたいと思っています。