プロデュースはチープトリックの復活にも関わったリッチー・ジトーで、耳が痛いほどハードなサウンドに振っている。アンのボーカルはパワーは勿論、表現力が格段にスケールアップし、ロックの枠を外しても白人女性ボーカルの頂点と言えるほどの上手さである。
ヒット曲(2)のどぎつい歌詞は、70年代ハートの文学趣味を思うと悲しくなってくるが、(6)(7)を提供しているサミー・ヘイガーはハートの作風に理解があると思わせる良心的な仕事をしている。(8)はウィルソン姉妹の曲で、ツェッペリン風で叙情的なかつてのハートが戻ってきた感じ。