安岡先生のお人柄がひしひしと伝わる
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安岡先生のご著書は数多く拝読したものの、お人柄はつかみ所がなく、いったいどういう方だったのだろうかと思っていました。
ビデオテープで滔々と話される様子も伺いましたがこれも公の場の姿でした(常人でないのは伝わってきます)
愛弟子で、最も近い距離に長年いらっしゃった伊與田先生の随想からうかがう安岡先生はしみじみと素晴らしい方であったろうなと思わせるもので、読んで一度でもお会いしたかったと思いました。
伊與田先生もさすがに素晴らしいお人柄。すべてがお金で動く時代になってしまいましたが、伊與田先生の若かりし頃は人徳の力で物事が動いていたこともあったのだなと感心いたしました。
また新たな気持ちで安岡先生のご著書や古典に触れていきたいと思います。ありがとうございました。
滴骨血(てきこつけつ)と瀉瓶(しゃびょう)
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今月8号の致知の特集 思いをこめるのなかに
滴骨血(てきこつけつ)という言葉がでてくる。
王陽明の言葉である。師は自分の血を弟子の骨に注ぎ込む。
弟子もその血を骨に吸い込むように受け取る。とある。
まさに貴重な厳選書簡十五通の二人のやり取りは
滴骨血(てきこつけつ)という言葉がふさわしい。
本の中では 瀉瓶(しゃびょう)
師は己の一道を通じて得たもののすべてを弟子に注ぎ込む
弟子もまた一滴も零さずにそれを受け止める
真剣勝負であり一心同体と化した親密な学びの姿を表現した言葉である
と書かれている。
安岡正篤先生と伊與田覺先生の
滴骨血(てきこつけつ)と瀉瓶(しゃびょう)という言葉で表現された本。