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ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 早川書房
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ご講演を聴いて、本物だと思いました。 ★★★★☆
 最貧困世帯の女性に、無担保/少額返済で、お金を貸すことで、生きる力/自信を引き出し、今までの経済学では切り捨てられてきた貧困と闘ってきた著者の10年前迄の記録です。

・常にトップの成績で、フルブライト奨学金で米国で経済学博士号。
・世の中のことは思ったほど複雑ではない
・バングラデシュ独立に米国でロビー活動。広報部長を務める。
・バングラデシュの経済局計画委員会副委員長に就任するが、できることはなかった。
・南東部のチッタゴン大学の経済学部長に就任。学生に見事な経済理論を教えつつ、地元の村の窮状に目が止まる。
・地元の村を学生と共に調査。灌漑井戸の冬季利用や稲の植え方の改善で4倍の収量などの成果を出す。
・村の女性が、高利貸(1日10%の利子)に搾取されつつ、竹細工をしているのを見て、数ドルの資本が抜本的解決策になることを発見する。
・コンサルタントは、技術教育が必要だというが、それはコンサルタントの職を確保するためのもの。最貧の人は生きるすべを知っている。たとえば、牛飼い、織物といった元々持っている技に、わずかな資本を貸すことで自営業を始めることができる。
・読み書きができない人が、銀行のルールを覚える。5人の仲間を見つけてお互い助け合う。毎週少額(1/50)返済することで、返済の負担を減らす。
・最貧の人には、最後のツテなので、お金を返さないという贅沢な選択肢はない。96%といった驚異の返済率となる。
・新しい村に進出する時は無理はしない。宗教家や高利貸や夫が妨害する場合は、逆に頼んでくるまで撤退する。(村の女性達が彼らに立ち向かってくれる)
・グラミンとは「村の」という意味
・イスラム教は利子を禁止しているが、グラミン銀行は借り手である組合員のものであり、組合員へのサービスに使われているので、20%の利子はイスラム教に違反しない。利益ではなく、どれだけ貧困を改善できたかが目的。貧困を明確に定義することが大事。
・災害時には、返済期間の大幅延長と共に新規貸付を行い、復興を支援する。
・雨漏りのしない$300の住居をローンで建てる。(国際デザイン賞を受賞)
・経済学は、経営者/起業家と賃金労働者という、解きやすいモデルに固執し、自営業を「インフォーマル・セクタ」として無視してきた学問のための学問。
・最貧民の持っている生きる力を生かした工夫溢れる自営業こそが、自信と地域に残る価値を創造してくれる。単なる寄付や生活保護は本人達の自尊心を破壊し、やる気につながらない。
・バングラディシュだけでなく、各国でマイクロ・クレジットは有効。マイクロ・クレジットを目指す人用の訓練センタも作った。米国を含め、各国で活動が始まっている。

 政府や銀行が挙げる、山程のできない理由に対して、じっくりと話し合いを行い、マス・メディアを通してその真価が驚きと共に認められ、発展してきたグラミン銀行。本当の学者というのは、現場で実践することに喜びを見いだします。世界の貧困を撲滅していく奇跡を推進している方です。ご本人は穏やかに話されますが、明るさと強靱かつ柔軟な意欲を感じさせる魅力的な方です。
BOPビジネスの原点を知るための本 ★★★★☆
近年流行のBOPビジネスの先駆けとなった
「グラミン銀行」を立ち上げ、
ノーベル平和賞を受賞したムハマドユヌス氏の、
幼少期から近年までを書いた自伝。

ユヌス氏がどういう経緯でグラミン銀行を立ち上げようと決意したのか、
またマイクロクレジットにどのようなことを期待して、
具体的にどのような運営を行っているのかに関しても、
ストーリーの中で記載してある。

どういう意図でBOPビジネスのモデルが存在するのか、
その根本にある思想を理解するのに良い本である。
関連ビジネスに興味がある人は、ぜひ読むべきだと思う。

しかし注意すべき点も一つある。
BOPビジネスは収益性と慈善性を兼ね備えた
すばらしいビジネスのように見られている可能性があるが、
やはり「ビジネス」である以上、収益性の確保のために、
貧困層に何かを強いらなければいけない部分や、
自分達が犠牲にならなければいけない部分が存在している。

ユヌス氏の思想、行動はすばらしいが、
内容には少し強引な部分もあるので、
全ての国においてここまでBOPビジネスが上手くいくかは、
やや疑問な所もある。
NGOや国際機関、開発関係を目指している人にもお勧め ★★★★★
 グラミン銀行の創始者ムハマド・ユヌスはバングラデシュの商人の家庭に生まれ、素晴らしい両親を持ち、奨学金でアメリカの大学に行き、その後バングラデシュの政府機関の立派な地位に就いたが、実質の伴わない職に不満であったため、バングラデシュの大学で経済学の教授になりました。大学の傍にあるとても貧しい村を訪れたときに、自分の教えている経済学でこの村の貧困を解決できないようでは机上の空論であると考え、教え子や地元の銀行などを巻き込んで、貧困家庭の女性をターゲットにした画期的なローンを始めました。最初からうまくいったわけではなく、失敗や葛藤もあり、銀行や周囲の理解が得られなかったりするのですが、ユヌス氏や教え子の努力や思わぬところからの出会いや縁で、国際的にも注目されるようなシステムになりました。彼の子供時代からアメリカ留学、そして大学教授になるまでの様々な経験と知識、そして人間関係があったからこそ実現できた銀行なのだなと感心しました。また、グラミン銀行で働き始めた教え子の若い女性たちも、貧困地域の女性を支援する一方で、自分達自身も両親を説得したり、奇異の目で見られたりする事に慣れなくてはいけなかったそうです。ネットで入手できるグラミン銀行の情報とは違って、その歴史やコンセプトが非常に良く分かりました。NGOや国際機関、開発関係に携わる人は必読の本だと思います。


 

貧者の銀行の創業物語 ★★★★★
日本の銀行やサラ金と鮮やかな対照をなす。与信管理は
1)まじめな貧しい女性に、2)小額を貸し、3)何度も励ます、
ただこれだけ。人々は自立し社会に幸せが増える。
もし日本人が不幸なら、それは金融業者のみならず、
我々自身の貯金への姿勢に問題がある為だろう。感動!。
一人ひとりの行動に影響を与える力を持った本です。 ★★★★★
「マイクロ・クレジット」というものを知ったとき、本当に驚きました。自分自身の常識が覆ってしまいました。利益を求めない企業活動、という時々ジョークで口にするようなことが本当におこなわれ、貧困で苦しむ人を救済していたとは。その創業者、ユヌスさんがどんな人であるか、そしてグラミン銀行がどういう具合に運営されていて、これまでどうやって出来上がってきたのか、興味が膨らみました。この本で私が感じたのは、ユヌスさんは、激しいほどの情熱をもった方のようです。当初は、ユヌスさんのこのアイデアを理解できる人は何人もいないわけです。ユヌスさんは、結果を見せることによって相手を説き伏せてゆきます。バングラデシュの建国の際に、アメリカに留学していたユヌスさんは、独立運動を支援するためにアメリカで活動を始めます。常に自ら行動を起こし、仲間を募り、それが巨大に発展してゆくのです。読む人一人ひとりの行動にも影響を与える強い力を持った本です。