自分が作るモノ以外のモノの作り方の本というのは、それが何であっても面白い。昔から工作好きで、今の仕事もメーカ勤めで機械設計なのだが、自分が専門としていることや、趣味の工作に関しては、関連本を読んでいても、「そら違うやろ!」「そんなんしたらアカンて」などと身の程知らずにつっこんでしまうので、読んでいて疲れる。その点、このような全くの専門外、おまけに普段から時代小説など読んだことのない、私のようなものが読むと(読んでも?)、この本はとても面白い。
まったく関係のないモノの作り方に、自分が物作りの上で心がけているような事が書かれていたら、「なに作るにしても心がけは同じなんだぁ」と嬉しくなったりもする。本文中に書かれていた「山並みに境界線なんて引かれてない云々」の箇所は、実際の事象を自分の目で確かめることが、とても重要だと再確認できた。語り口調も感じよかったので、星5つ。