米国ワシントンDCのスミソニアン博物館群（盛り沢山なのに入場無料！）の中でも、人気の１、２位を争っているのがNational Museum of Natural History（自然史博物館）。展示物を眺めるだけでも楽しいのですが、なにせ解説が全て英語なので、つい流して内容を把握しきれないのが悔しいところです。
　そこでこの本。著者がその自然史博物館での勤務経験があるだけに、読んでいるとまるで博物館の解説が日本語で本の中に再現されているようで、訪れては読み、読んでは訪れ、大っ変参考になりました。大人向けの類書ほど難しくなく、子供向けにしては内容が充実していて、小学校高学年からがお薦めです。
　ふりがなが少なく、漢字も多いので、小４で読むのは結構大変だと思うのですが、自然史博物館大好きで、それまでは英語力が追いつかなくて館内をぐるぐる回るだけだった息子は、この本を入手した途端かじりつくように読み倒し、「やっとわかったよ！」ととても喜んでいました。今でも、自然史博物館に行く度に、帰ってきたらこの本をひもといて読んでいます。

簡単な表現とユニークなイラストで、地球上で今まで起こってきたイベントを実に興味深く記したこの本は、著者の地球に対する愛情に満ちている。是非ともお子様のいるお父さん・お母さん、そして先生に読んでいただきたい本である。また、本著は水を一つのキーワードにして、生命圏と岩石圏を統括的にとらえた文章の書き方をしている。特にp33、p58の石と水やマグマの関係、p176にある砂浜と水、そしてそれ以降の水の性質の説明は納得させられた。こういう自然の見方を地球に住む私たちができたら、きっと地球に対して、優しく温かい生き方ができるだろう。そう思わせてくれる素敵な本に出会えた。