この本には丸山による福沢論の主だったものがほとんど収録されている。(ただし、『「文明論之概略」を読む』は収められていない。)読みすすむうちに、丸山が福沢の「知」の方法を解き明かしながら、その現代における意義を我々に伝えようとしている、その熱意が伝わってくるようだ。編者による解説も丁寧でわかりやすい。社会思想の書物としての充実度抜群で、読みごたえのある一冊である。