こういうラストは、是か非か?
★★★☆☆
「生まれたばかりの息子は、一瞬光ったように見えた・・・。」
父親に光瑠と名づけられた少年は、やがて天才的な力を発揮する。「光楽」と呼ばれる彼独自の
音楽は、聴く者すべての心に感動を与えた。だが、感動を与えることが真の目的ではなかった・・・。
光瑠の心に秘められた計画とは?
人と違う能力を持つことで周りの人たちから特異な目で見られ、特別扱いされる。それがはたして
幸せなことだろうか。光瑠の持つ特殊な力に反応し彼を崇める人たちがいる一方で、彼の力を利用し
私欲を満たそうとする者たちがいる。このふたつの流れは、光瑠が望む望まないに関わらず、彼を
飲み込んでいく。追う者と追われる者の攻防は、読み手をハラハラさせる。光瑠はこれからどうなる
のか?期待しながら読んだが、ラストは「これで終わりなの!?」と叫びたくなってしまうものだった・・・。
「この終わり方は是か非か?」そう思うが、考えようによっては、こういう終わり方がベストなのかも
しれない。それにしても、光瑠の奏でる音楽を実際に聴いてみたいものだ。聴けないのがとても残念!!
東野圭吾が描くSFもの
★★★☆☆
光を演奏することで、何らかのメッセージを発信する天才少年光瑠。光瑠の光の演奏に引かれていく若者たちがおおくなるにつれて、光楽及び光瑠の存在を煙たがる大人たちの魔の手が忍び寄る。
本書は東野圭吾氏の小説でおなじみの推理ものではありません。SFものといってもいいでしょうね。エンディングは、余韻を残す終わり方になっている。
なぜ、本書を書いたのでしょうか。特殊な能力を持つ人間を忌み嫌う既存の人間の傲慢さに嫌気が指したということなのだろうか。「人間ほど世代交代を忌み嫌う生物は地球上には存在しない」という文章が気になる。
リズムの違い
★★★☆☆
現在の著者の書き口を期待して読むと物足りないと感じるかもしれません。
面白い
★★★★★
今回は何かSFっぽくて、でもファンタジーっぽくもあり、面白かったです。
東野作品の中で、これが一番好きかもしれません。
光と共に
★★★★☆
光を演奏してメッセージを送ることを「光楽」と呼んでいる。
ある天才少年が、自分にその能力があることを知り、若者を中心に公に向けて、光を発するのである。一度光楽の演奏に酔ったものは、禁断症状を起こす程「光」を求めて彷徨う。そして光楽からメッセージを受け取る能力の持ったものは、次に光を音楽に変えて演奏していくのだ。強いメッセージ性をもった光楽は、それを潰そうとする権力に捉えられてしまう。しかし輝ける光は、その場を光楽によって助け出されるのだ。
「光を演奏する」という行為にエネルギーを感じる新しい時代へのオマージュとも捉えられる小説。
『光のシャワーを浴びるようになってから、薄紙をはぐように雑念が頭から取り除かれていった。光を見ている間は陶酔感に浸れ、魂が自分の肉体から離れてさらに高い次元に達するような感覚がある。』