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死者の書・口ぶえ (岩波文庫)

価格: ¥735
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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「した した した。」 記憶に残る水の音 ★★★★☆
折口信夫(おりくち・しのぶ)の代表作『死者の書』(と『口ぶえ』)が現代仮名遣いで読みやすくなって再登場。

『死者の書』は、持統女帝に処刑されて二上山に葬られた滋賀津彦(大津皇子)の霊魂が目覚める話と、二上山の峰の間に現れた阿弥陀仏に導かれ、当麻寺に身を寄せた藤原南家郎女(中将姫)が蓮糸で曼荼羅を作成する話とが重なり合った複雑な内容の小説である。

小説の内容もさりながら、折口信夫のオノマトペ(擬態語・擬声語)の感覚の凄さには驚かされる。「した した した。」という墓の中で水が滴る音、「ほほき ほほきい ほほほきい―。」という鶯の鳴き声、「つた つた つた。」という闇の中の足音。いずれも強烈に記憶に刻まれる。

本書巻末には『死者の書』登場人物(皇族・藤原氏・大伴氏)の系図や『死者の書』・『口ぶえ』に関連する地図がついており、これまでの文庫本に比べると、作品中の人間関係、山川・寺社の位置関係、土地柄をより明確にイメージしやすくなっている。