表紙も内容も予想外
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表紙、見ても誰か分かりませんでした。読んでようやく思い出しました。確かにこの漫画女性キャラ少ないですから、仕方ないかもしれませんが。
6巻の前半は決戦の日までの学校や家での光景、そしてグラスホッパーの動き。後半は決戦日当日、決起集会開始時間前に行われる安藤VSマスターの戦いという構成。
他の方がレビューで既に書いているように、主人公の安藤は何度もこの恐怖から逃げ出したいと思う人間です。その都度「考えろ」と呟き、自分を鼓舞し立ち向かう。そうやって能力の応用も有効範囲も上のマスターと戦い、諦めず活路を見出すその様子は必見です。
マスターの能力の正体が書かれていていたのが意外でした。確か小説では特に触れられてなかったように思うのですが。
実は1巻と2巻の頃はあまり面白いと思っていませんでした。小説の『魔王』と『グラスホッパー』、ここまで違和感無く関連させたのがすごいなという程度しか印象が。ところが巻が進むにつれ魅力が増し、その魅力がこの巻で爆発したように思えます。学校での「事件」とその後の光景や安藤とマスターの会話、背筋がぞくっとしました。7巻で第1章が終わるようなので、今から来年2月の発売が楽しみです。
そういや決起集会当日の安藤が着ている服の柄、もしかして伊坂作品のあのキャラ? 彼の言葉は前に(3巻だっけ?)出たけど、こういった細かいところにまで……。大須賀さんによる小ネタでしょうか? 他にもあるのかもしれません
最弱の能力者vs.最強の能力者
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犬養が生み出した巨大な流れの中で一人の少年が命を落とすが、それさえも狂信という力に変えて、勢力を拡大するグラスホッパー。対決を決意した安藤は犬養が現れる決起集会の場を目指すが、その前に、最強の能力者「マスター」が立ちはだかる……第一部終局へと向けて、ますます加速を続ける「魔王 juvenile remix」 第6巻です。
「考える」ことを軸とする安藤の「腹話術」と、マスターの規格外の能力が遂に激突します。その迫力ある戦闘シーンも見せ場ですが、他にも、安藤と潤也の兄弟愛や、熱狂の裏で混沌に堕ちていく人々の姿が丁寧に描かれており、その全てが見逃せない名場面となっています。「本当に面白い漫画」……まさにその言葉こそがふさわしい。テーマ。メッセージ。キャラクター。画力・構成力。伊坂氏の原作を土台として飛翔する、大須賀めぐみ氏のとてつもない才能があふれるこの傑作。ぜひ、お読みください!
(それにしても要は不憫な奴。まさかフィギュアに表紙を奪われるとは……)
おおおおおおおおおおおおおおおお・・・
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グラスホッパー決起集会が当日に迫るも、開催場所や参加者を誘導する方法など
何も分からず、学校でも孤立するなど圧倒的に不利な安藤。
今回グラスホッパーの意外な人物が、学校でグラスホッパーの私刑を受けた人物に
あっさり殺されてしまいますが、グラスホッパーが彼を英雄視して大衆を団結させることに
利用している場面は、私たち現実世界に当てはまるような気がして怖かったです。
そしてマスターが決起集会を確実なものにするため安藤を殺しにかかります。
しかし安藤も決起集会を失敗させるにはマスターを倒すことは必須と思っていたようで
策を練っていたようです。
しかし圧倒的にマスターの能力の方が強く、苦戦を強いられる安藤。
安藤は、蝉と対峙した時や火事現場に突入した時もそうでしたが、恐怖しています。
普通少年漫画の主人公といえばいつも、どこかで死んでもいいという覚悟があるのでしょうか、
あまり恐怖心が伝わってくるということはないのですが、
安藤が震えながら、泣きながら、必死に逃げながら果敢に挑んでいく姿勢は、
普通の勇気のある少年漫画の主人公以上に胸が熱くなり、共感し、勇気を感じてしまうのです。
そして特筆すべきはこの巻のラスト。大げさすぎて笑っちゃうかもしれませんが、
安藤の必死さが伝わってきて圧倒されます。歴史に残る名シーンかと。
第一章終末に向けて
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ついにグラスホッパー決起集会の開催
腹話術のみを武器に戦うことを決めた
安藤。
そして今回の巻では
ドゥーチェのマスターとの戦いがメインです
感想としては原作と同じく
ムードや流行に支配される
民衆をとても恐ろしく感じました
また、マスターと戦う安藤の姿勢に
すごく胸を打たれました
あぁ本当は怖いんだろうなぁ
独りで洪水に立ち向かうには
心細くて堪らないだろうと
思いました
それでも
自分の考えを信じて
たとえデタラメでも
対決すると決めた安藤は
終末へ向け動き出します
激動の6巻です。