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パナマの死闘 (ハヤカワ文庫 NV 80 海の男ホーンブロワー・シリーズ 5)

価格: ¥882
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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英国海軍ものの原点 ★★★★★
のちにボライソー、オークショット、オーブリーといったほかのシリーズをも生むことになったホーンブロアー・シリーズ原点の作品。
19世紀初頭、本国を遠く離れたパナマに赴く英国海軍のフリゲート艦、この状況が話を面白くしています。艦上の生活、航海術、戦闘、艦の修理などがリアルに描かれ興味をかきたてられました。自然の美しい描写もあります。そして、男ばかりのはずのこの世界に女性も登場します。全体的に記述はあっさりしていて、一部の読者しか喜ばないような書き過ぎの箇所はありません。男女の別なく誰でも楽しめる内容豊かな小説だと思います。
ホーンブロワー・シリーズの出発点 ★★★★★
 このシリーズに興味を持たれた方が、取りあえず1冊読んでみよう、と思われるなら、
私なら迷わずこの「パナマの死闘」をお薦めします。

 日本語版は物語の進む順番に巻が並んでいますが、実はフォレスターはこの巻から
シリーズを書き始めたのです。日本語版の第1巻から読み続けてたどり着いた人は、
妙に説明的な描写が多いことに違和感を覚えるかもしれません。それは、この巻が
事実上の第1巻だからです。
 それだけに、このシリーズの魅力、主要な登場人物の魅力が見事に描き切られている
1冊だと思います。フォレスターは当初、このような大河シリーズを意図しては
いなかったそうですから。

 ちなみに、この本はアメリカとイギリスでは異なった題名で出版されています。
そのうちのひとつである、"Beat to Quarters" というのは、「戦闘配置につけ」
という号令です。ドラマをご覧になった方は、この号令とともに小太鼓が連打
(ドラムがロール)されるのを覚えておられるでしょう。この号令はその連打(ビート)
が由来なのです。

ホーンブロワー・シリーズの出発点 ★★★★★
 もし、「ホーンブロワー・シリーズ」に興味を持った方が1冊読んでみよう、と
思われるなら、私なら迷わずこの「パナマの死闘」をおすすめします。

 日本語版では物語が進む順に巻が並んでいますが、実は作者がシリーズを
書き始めたのはこの「パナマの死闘」からなのです。日本語版の第1巻から
読みはじめた人には、この巻になって今更のようにあらわれる説明的な描写が
気になるかもしれません。それはこの巻が事実上の第1巻だからです。
 それだけに、このシリーズの魅力、主要な登場人物の魅力が見事に描かれて
いる作品だと思います(フォレスターは当初、このような大河ドラマを意図して
いなかったそうですから)。

 ちなみに、この小説はアメリカとイギリスでは異なる題名で発表されています。
そのうちのひとつである "Beat to Quarters" というのは、「戦闘配置につけ」
という号令です。ドラマをご覧になった方はおわかりかと思いますが、号令と
ともに打ち鳴らされる小太鼓の連打(ドラムのロール)が由来なのです。

英国発展の歴史物語 ★★★★★
あらためて読み直してみると、中央アメリカとスペインと英国との関係が、巧みに描かれている。最初に読んだときには、戦闘の描写や、航海や運用術の記述にだけ関心をもったが、むしろ「海の世界史」といった魅力があり、そちらの方が素晴らしいような気がする。物語のはじめ、英国のフリゲートが英国から7ヶ月かけてアメリカの南端を回り、いまでいうエルサルバドルあたりの海域にようやく到着する。そうした距離感が、リアルに描かれている。英国は長い間、おそらくエリザベス1世の頃から、スペイン領アメリカを奪おうと狙っていた。ただし、直接支配は膨大なコストを伴うため、反乱軍を支援して、本国スペインからの離反を促す。英国は貿易によって、低コストで経済的利益のみを享受する。こうした英帝国の基本戦略が、この物語のテーマになっている。そこへナポレオンによるスペイン侵入があり、にわかに英国は方針を転換、スペインと手を結ぶ。その結果、おなじナティヴィダッド号相手に、ホーンブロワーは2度戦うことに。憎いばかりの計算された仕掛けがあり、リアリティーはいや増している。

フォレスターの冒険譚が、歴史に深く裏打ちされた本物であることを、改めて思い知らされた。まさに英帝国の物語であると思った。