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ゴットハルト鉄道 (講談社文芸文庫)

価格: ¥1,313
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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この程度かと嘆息 ★★★☆☆
噂に名高い多和田葉子を読んでみたが、日本の小説がまだこの程度の文学的想像力と日本語運用能力で満足しているのかと思い知らされて嘆息した。ほとんど強靭な狂人の高橋新吉におよばないのは仕方ないこととしてもだ。たしかに腰巻きキャッチコピーが言うように、多和田葉子は「言葉のマジック」にすぎず、それ以上でも、それ以下でもない。この程度なら漫画家の花輪和一のほうが100倍すごい想像力と筆力を、そして人間性に対する深いアイロニーと諧謔を持っている。日本の小説が漫画におよばないということは、かえすがえす残念なことである。
世界に誇れる日本人小説家 ★★★★★
日本語で書かれた(というよりはむしろ編まれたといった方がより適切か)詩的で美しい
短編集。全ての短編に共通しているのは、ごく普通の日常を描いていながらも、どこか宙
に浮いたような不思議で物悲しい雰囲気が漂っている点。

中でも「無精卵」は、日常に突如として現れる異常を鋭く描いていて、読み手をグイグイ
と引き込んでゆく。最後にはなかなかショッキングなラストが待ち受けているのだが、ス
トーリー以上に作品に漂う雰囲気が魅力的だ。

著者はドイツ語でも創作活動を行う上、世界を舞台に活躍しているそうだ。確かに、本書
に収められているような作品を創ることができれば、どこに行っても通用するだろう、と
妙に納得してしまった。

また、天賦の才能としか呼びようのない適切な言葉選びや、豊富な語彙も素晴らしい。

現在の日本が世界に誇ることのできる、稀有な才能を是非とも堪能して頂きたい。