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鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)

価格: ¥662
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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   封建的な家庭に育った貞操観念の強い妻と、初老を迎えた大学教授の夫。肉体的な下降期にある夫は、妻の旺盛な性欲を満たすことができない。美しい妻の肉体に日々妄想を募らせ、ついには若い男を妻に近づけることで、自らの衰える性欲を掻き立てようとする…。

 「鍵」は、この夫婦が性を赤裸々につづった日記である。相手に盗み読みされているかも知れない、という緊張感が、複雑な心理の葛藤を生み、物語をよりスリリングなものにしている。

   性欲の虜のような2人も、世間体は案外平凡な夫婦なのかもしれない。そこにこの小説の恐ろしさがある。日常的な夫婦生活とは、実はもろくも微妙な関係の上に成立しているのである。ひとたび「鍵」を開けてみれば、そこには暗く奥深い混沌とした闇の世界が待ち受けている。『細雪』で美しい物語絵巻を完成させた谷崎は、さらに日記形式という武器を手に入れ、日本的情緒の深部へと読者を誘い込もうとしているのである。

 『瘋癲老人日記』もやはり性欲を題材にしたものだが、「鍵」が陰とすればこちらは陽の世界。嫁に翻弄される老人のあっけらかんとした日記である。谷崎自身を思わせる老人の瘋癲ぶりは笑いを誘う。肉体的な力を失った人間の欲望が、どこまでエスカレートするか、谷崎は存分に想像力を膨らませて書いている。その結末を「鍵」と比べて読むのもおもしろいだろう。(三木秀則)

瘋癲老人日記は駄作! ★★★☆☆
瘋癲老人日記ははっきり云って駄作である。
ある老人の被虐性愛をテーマに描かれてはいるものの、悪魔的で官能的な作家として名高い谷崎氏の作品の中では一番の駄作と云っても過言ではない。読めばすぐ分かるが、悪魔的で官能的な雰囲気は一切皆無。確かに、老人の踏みつけられて快楽を得ているような変態嗜好は、悪魔的で官能的なのではなく、単なる性的倒錯で、それ以上に、谷崎らしい悪魔的、官能的な世界が微塵たりとも描かれていないので、読んでいても、つまらない。
逆に、鍵、卍は面白く読めた。異常と狂気が情熱的に力強く表現されているという点で秀逸。しかも、谷崎らしい偏曲した悪が全面に押し出されていて、高く評価したい。
谷崎的 ★★★★★
「鍵」:病をおしても郁子との喜びを優先する自虐的な老人。
瘋癲老人日記:死んでからも颯子(嫁)の足の下にいることを妄想して恍惚となる老人。
「鍵・瘋癲老人日記」は、「痴人の愛」「春琴抄」「お国と五平」の延長にある、女主人に仕え、踏みつけられることにある種の喜びを感じる男の痴情の世界。
なおみよりも コンパクトで かつ、インパクトがある。 ★★★★★
テーマとしては痴人の愛と同じような方向性ですが、
この本の2編のほうが、短くまとまっていて読みやすく面白かったです。
いわゆる「インパクト」でいえば、こちらの2編のほうが強かったし、
読み応えがありました、私には。

息子の嫁って、魅惑的ですね。しかし。