お手本がわかりやすい
★★★★☆
技法書としては、本の大きさや内容についてごく標準的な分量だと感じました。文章の量がやや多めに解説されていますので、まず読んで頭に入れてから実技みたいな流れ、あるいは、最初は単に読み物として最後まで読破してしまって、すこし気になったところだけ自分でやってみるくらいの感じでもいいのかも知れません。
お手本が、日常にある物や、近場に良くある風景を取り上げられているので、なじみやすいと思います。デッサンと彩色が半々くらいの分量の解説だと思いますが、ややデッサンよりの本。しかも、鉛筆画で仕上げるというわけではなく、水彩画の下書きとしてのデッサンという面で勉強する本という性格がやや強いと感じました。
デッサンの本というとモノクロで内容が固く難しいというイメージがあります。この本はカラーなので単純にそれだけでも親しみやすい。
また、色彩についても、混色時の補色について簡単に触れてあるなど、画面の色を落ち着かせる方法など基本的なツボは押さえてあります。私達のような素人の場合混色のことを集中的に勉強しようと思ってもなんだか難しそうでなかなか入り口が見つかりません。でも、この本程度の1ページちょっとくらいの分量でちょっとしたことだけ覚えていれば、何となく実践できそうだと思います。
総じて言うと、平易な表現で、画風的にもプロのワザを駆使して難しい技術や独特の感性が詰め込まれている言うより、出来るだけ私達の立場に近いところからアプローチしている感じですので、勉強する題材として取り組みやすい本だとおもいます。コレ一冊で満足できるか?といえばそうはいかないかもですが、いくつかの技法書を読み進む上で比較的最初の方で出会うと良い本かな?と思いました。