かっこいい
★★★★★
千羽兵四郎と長連豪、二人の二枚目っぷりは、歴女の心にも充分響くのでは?。哀しい運命を背負っているという事も、重要なファクターであると思われます。哀しい結末と思いながら、兵四郎の決断には充分納得させられます。女が口出しできる事ではありませんね。
西郷隆盛の下野から西南戦争に至るまで
★★★★★
◆「痴女の用心棒」
明治4年に、長州出身の参議・広沢真臣が暗殺された際、
彼と同衾していた愛人おかねが、四年半に及ぶ留置生活
を経て、このたび無罪放免となった。
しかし、いまだ暗殺事件の犯人が捕まっていないため、
油戸巡査が、おかねの監視をすることになるのだが……。
広沢真臣は、長州において木戸孝允とならび称された、維新の俊傑。
結末では御隠居が、暗殺事件の真相について驚くべき推理を披露します。
◆「春愁 雁のゆくえ」
紙屋巡査は、加治木警部から兵四郎の行状調査を命じられる。
しかし、調査の過程で、お千という柳橋の芸者を
見初めた彼は、しだいに当初の目的を見失ってしまい……。
タイトルに暗示される、ある文豪の少年時代の悲恋が、
彼の代表作の結末を先取りするかのように語られます。
◆「天皇お庭番」
元江戸城お庭番・針買将馬は、幕末に薩摩へ隠密
御用にいった際、拘束され、眼をつぶされてしまう。
ひょんなことから、そんな針買の妻の用心棒をすることになった兵四郎。
しかしそれは、兵四郎と薩摩お庭方上りの巡査を陥れる、悪辣な罠だった……!!
密偵使いの名人と言われた川路大警視が、いかに
その能力を磨いてきたかという背景が窺える話です。
◆第十三話〜第十五話
◆第十六話〜第十八話
読んで損なし
★★★★★
上巻から通しで事件のからくりもさること乍、この下巻は特に人物のひとりひとりが男女問わず恰好いい!(まあまあ‥救いようのないような人もいるけれども)
実在の人物が多く出てくるので、誰がいつどこで死んでしまうかわかっている人などには、その恰好良さが切ないことと思います。
あと通行人のように有名人が出てくるのもニクいトコロ。
「あんたこんなところにいたのか!でも全然注目されてない!(笑)」と。
それからこれは、登場人物について調べたくなるので困ります。
調べなくてもまったく楽しめるけれど、楽しかったからこそ調べたくなってしまう。
とりあえず柴五郎は調べました!
川路大警視は論文を書こうとして断念しました…
あ、私『るろうに剣心』から斎藤一が気になったクチだけど、この斎藤一も大好きです!(笑)
何度、戦慄させらるか
★★★★★
ふっと影のように、人物の前を横切っていく実在の者たち。
その顔が明らかになった瞬間、事件の真相がベールのようにはぎとられていく過程。何度も何度も背筋がぞっとする大傑作。
山風明治ものにはずれなしだが、そんな中でもこれは最高峰に位置するだろう。
ラストに向けての哀感も見事!