英文憲法というものがある。六法全書にも載っているこれは実は日本国憲法の英訳ではない。憲法作成過程で出来あがった日本国憲法との双子なのである。しかし、法的拘束力はないらしい。ではなぜ、英文憲法を訳するのか。憲法をいろんな見方をする事により(監修者は「ほぐす」という言い方をしている)憲法を解り易くするためである。例えば、日本国憲法では「日本国民」としているところ、英文では「Japanese peaple」といっている。池田訳は「日本のわたしたち」となる。「国」と言ったとき、日本人はどうしても「お上」というイメージを抱くのではないだろうか。しかし、英文で「ほぐし」てみる。お上が決めるのではない。どうやっても「わたしたち」が決めるのである。政府はわたしたちによって「命令」されるのだ。そういうことを考えながら憲法を再読してみる。
英文には単語帳も付いており、英語学習にもなる。中学生から読める憲法パンフレットである。