数うちゃ当たるリーダーのルール
★★★☆☆
まずはじめに、このレビューはあくまで私個人が読み通して感じたことであって、
各ルールそのものを否定するものでは無いということを断っておきます。
---以下レビュー---
1ページ毎に1ルールという書き方は非常に明瞭で読みやすい。
筆者の体験も、どの方も一度は体験した話であろうものが多く、肯けるケースは多いと思う。
ただ100個ルールを用意してしまっているだけに、それぞれのルールの間で矛盾点が多くあり、
また片っ端から実践すればそりゃ各々の職場に適した解もあるだろうという感も強く受けた。
たとえばどうやっても動かない部下を動かしてこそリーダーと言ってみた後に、
ダメな2割より残りの8割に集中すべきという。
べき論で動かすのは最低と提示した上で、本文中には部下に対してべき論で
対応しているところが見受けられる。
例をあげればキリが無いが、ビジネス社会ではこれもよくある話なので、
寛容に受け入れることが大切なのかもしれない。(これも文中の1フレーズ)
ただ、一番矛盾を感じてしまったのは、筆者の読者に対する語り口である。
筆者は自身のビジネス体験を通して、信頼関係ができないうちに正論を言うなと
論じている。要は聞き手の信頼を得る前から偉そうなことを言っても伝わらないという
ことである。私もそう思う。
けれども、筆者である小倉さんは本文中でそれをやってしまっている。
文頭から、20代は課長、30代は役員、社長と輝かしい功績をこれでもかとあげ、
読者のほとんどがそうであろう、ようやく30過ぎてリーダクラスになりそうな読み手に対し、
上から目線のトップダウン形式で頭から最後までべき論で語りきってしまっている。
これでは、上司の居酒屋の説教と変わりなく、30なりたての若い読者の多くの心には、
きちんと響かないのではと感じた。
筆者・小倉さんの部下も我々読者も変わらないことに気づくべきである。
以上を通して感じたことは、人は失敗体験を通して理屈では改善に向けて
答えを出すことはできても、それを本当に身をもってきちんと修正させることは
簡単なことではないのだということ。
恐らく、20代、30代の筆者と今の筆者は根本的には変われていないように思う。
是非、読者の皆様においては、この本を通して感銘を受けたルールについては、
常に実践の意識をもって満足することなく挑んで頂きたい。
新米リーダーの処方箋
★★★★★
新米リーダーが陥りがちな、失敗、悩みとその対処法を
具体的に、簡潔に教えてくれます。
私自身、相当悩んでいる部分との重なりも多くあり、
読んでいるだけで心が軽くなりました。
親身に相談に乗ってもらい、
悩みを聞いてもらったような、
そのあとの、心が軽くなる感覚。
早速いくつかを実践し、
成果が表れつつあるのかな、と感じます。
私が一番出来ていなかったところ
ルール78 「2つのビジョンを重ねる」
会社には、経営理念があり、経営方針があります。
そして、私にもリーダーとして、チームを運営する上での理念があり、
方針があります。
それを、私は部下へ押しつけていました。
こんな立派な考え方の会社で働いているんだ!理解しろ!できないほうがおかしい!
そして、そこへ向かって突き進め!できないなら辞めろ!
と考えていました。
表面には出さなくても、いや、出しているつもりはなくても、
出ていたのではないでしょうか。
チームにはとてもではありませんが、ビジョンへ向かう一体感はありませんでした。
それは、私が部下のために何かをする。
部下のために力になる、親身になることをしなかったから。
会社の、私の考えを一方的に押し付け、
部下の考えを、理想を聞かなかったから。
会社には会社の夢があり、私には私の夢があり、
部下には部下の夢がある。
最終的には、違う方向へ歩き始めることもあるのかもしれないが、
今この瞬間、ともに働く同志として、
会社の夢を実現すること、部下の夢の実現へ歩むことの
方向性のすりよせが必要だったのだ。
会社の夢の実現へ向けた努力と
部下の夢の実現へ一歩ずつ近づいていくことがイコールになるように。
私は、まずここに力を入れます!
ワクワク会社の夢へ向かって頑張れるチーム
=ワクワク自分の夢の実現へ向かって進んでいけるチーム
を作ります。
「33歳からのリーダーのルール」に、力をもらいました。
悩んだとき、苦しんだとき、何度でもこの本に立ち返り、
基本に戻り、最高のチーム作りを絶対にやりきりたい!
と思います。
ありがとうございました。