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大系 黒澤明 第4巻
価格: ¥6,300
カテゴリ:
単行本
ブランド:
講談社
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【Amazon.co.jp限定 黒澤明の肉声音源を初公開!】
黒澤明の書き下ろし文章、対談、取材インタビュー発言など、現在入手可能な全資料を年代別に収録した『大系 黒澤明』。Amazon.co.jpでは、『大系 黒澤明』の魅力を
「大系 黒澤明 特集記念ページ」
で徹底紹介。また、Amazon.co.jpだけで聴くことができる、黒澤明監督のインタビュー音源を初公開。映画の撮影方法、良い女優の見分け方などを語った貴重な音源だ。
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黒澤明「七人の侍」創作ノート
労作の完結編
★★★☆☆
全4巻の最終巻がついに出た。第3巻あたりから、当然だが最近の文献は既読感あるものも多くなってきていたので、本巻がそうであることは、当初から致し方ないと思っていた。「蝦蟇の油」や原田眞人監督との「黒澤明語る」など、まるまる1冊の収録というあたりが、それにあたる。
冒頭が「蝦蟇の油」。当然、大半の黒澤ファンは間違いなく読んでいるので、新鮮さは無い、といいたいところだが、発掘された貴重な写真が挿入されていて、選書でしか読んでいなかった私には決定版的な満足感が芽生えた。以降も初出ではない文章も多くあるものの、やはり決定版的に一冊網羅される点は一定の評価をすべきだと感じた。
貴重なものとしては、1991年に行われた大島渚監督との対談があげられる。日本映画監督協会のイベントで上映されたフィルムからの文字起こしなので、正確には未発表ではない(未文章化)が、長らく一般ファンからは隠されてきたものであることは事実。思ったよりも大島監督の語りかけに黒澤監督へのリスペクトが感じられる点が嬉しかった。黒澤さんも日本人離れした大局感をお持ちの方だったが、大島さんも、小異を超えて映画の発展を目指し、真摯に先輩の話に耳を傾けるピュアな感覚を持っている点に感動。よって、コアで興味深い内容ではあるが、喧嘩腰でやりあう、などいった刺激などは期待してはダメです。
全体的に、黒澤さんの書いた文章ではなく、対談、インタビューが大半だが、むしろ老境にさしかかって、遺すべきものを遺すといった思いもあったのだろうか、改めて黒澤さんのヒューマニズムや映画への愛情が他の3巻よりも実感できた。
この価格との折り合いでいけば、平均という星にしておくが、黒澤ファンとして全4巻を揃えた事は言うまでもない。編者のご苦労を思い、感謝の意を強くした次第。