群像劇に流れが出てきた4巻
★★★★☆
前作、前々作とは画風も作風も大きく変わったように見える
木村紺さんの「からん」第4巻。
ただ、変わらないのは作品が群像劇であるということ。
特定のキャラクター(主人公)を中心に世界が回るというよりも、
何人もの人間関係の中で登場人物を描いていく手法がこの人の特徴だと思う。
そこで、この4巻は高瀬雅の人間観察が中心になるわけですが、
ちょこちょこ「ちょっと壊れた感じ」のカットが出てきます。
これを見ていると「あ、キャラが勝手に動きだしてるんだな」と思います。
特に比嘉さんがだいぶ深まった感じ。穂積さんや先輩方はまだまだ。
雅自身の目指すことは少し分かってきた気がします。
3巻までは「どう進んでいくんだろう」とヤキモキしていましたが、
ここから加速していく予感がします。
いよいよ、本格的に試合(萌の国体予選)のシーンが入るようで、
単行本派としては、今後の展開がますます気になって半年後の5巻が待ち遠しい。
あ、相変わらず柔道教室やら京言葉教室のようなおまけも充実しています。