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731免責の系譜―細菌戦部隊と秘蔵のファイル

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本評論社
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真に免責されたのは誰? ★★★★☆
本書は、未だ実態が知られていない731部隊について、当事者のみが提供し得た資料と関係者らの証言により、人体実験の首謀者がいかに戦犯免責付与を勝ち得たかを明らかにしている。そのプロセス自体は興味深くはあるが、自己保身を図る旧陸軍関係者とそれを政治的に利用したアメリカという構図は、何か物足りなさを感じさせる。何故彼らは免責されなければならなかったのか。当時の軍人が国際条約違反で裁かれることを個人のレベルで受け止めて、その回避を画策することは考えにくい。むしろ、後に丸山真男が「無責任の体系」として明らかにした力学を逆手に取り、自分達がバイパスとなることによって別の何かを守ろうとしたと考えるほうが自然ではないか。しかしながら、少なくとも本書で描かれている免責の系譜に日本国家が利害関係者として登場することはなく、また戦後日本政府が731部隊の実態解明にどのように関与したか論じられていない。この日本という国の過去の戦争に対する非関与こそ、彼等の望み通りの結果というべきではないだろうか。また負の遺産を解消するためにも、今日我々が問うべきものではないだろうか。本書はその議論のために日本人が改めて認識すべき事実を提供している。
ひっそりこっそり ★★★★★
「731」細菌部隊は、いかにして「戦争責任」・「人体実験」等の人間として許されざる犯罪を、免責を勝ち得たのか。陸軍軍医中将石井四郎の巧妙な手口に迫る作品。
成倭堂書店 松が丘店 ★★★★☆
ドストエフスキーの罪と罰を思い浮かべちゃったりして。アメリカの臨界前核実験もあと二百年も経てば“ローレンス・リバモア免責の系譜”出るかな。所詮科学者には常に“神の驕り”のようなものがある反面、権力者からは赤子扱いされる。