インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

もっとも美しい対称性

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 日経BP社
Amazon.co.jpで確認
対称性を求めて ★★★★★
対称性は、さまざまな原理の中で、重要な概念のひとつです。
設計原理の中心に、対称性をすえて、体系化を図ろうと、対称性の本を読み漁っていて、本書にたどり着きました。

もっとも美しいという形容詞をつけることができるのは、理論的な背景があるためかもしれません。

どこまでも興味が尽きない話題です。
美しき数学の世界 ★★★☆☆
数学・物理学が好きな人にはオススメできる。 イアン・スチュワート氏らしく一般向けに、やさしく噛み砕いてくれているが、ある程度の予備知識なしに読むには少々しんどいかも知れません。 それでも氏の数学への熱意と、数学の美しさを満喫するには十分な一冊。
「ガロアの夢」は今も生きている ★★★★☆
"対称性"をキーワードとして、数学と物理学において「何故、「美=真」であるか(Why Beauty Is Truth)」を探求した本。そして、対称性をもたらす概念のキーが"群"である。

本書の前半は代数を中心とする数学史の紹介であるが、古代バビロニアに始まる数学の歴史の重みを感じる。その中で高次元方程式を解く際、より低次元の累乗根に帰着させると言う旧来の考え方を巧みに示している。そして、ハイライトは勿論ガロアの群論である。ガロア群の本質は置換だが、根どうしの代数的関係を全て保つ置換を「対称」変換と称している。ガロアは根の対称性から問題に挑んだのだ。更に、ハミルトンによる力学と光学の法則の一致性の証明と4元数の提唱(4元数は生前、受け入れられなかった)も印象深い。そして、微分方程式におけるガロア理論と呼べるリー群とリー環。リー環の基本分類を試みたキリング。著者の言う対称性を中心とした数学の美しさの頂点とも言える理論群である。次いで物理学の世界で、話題の中心はアインシュタインの相対性理論。彼がニュートン力学の矛盾解消に傾注した事は理解できるが、"美"がそのポイントになっていない上に、それまでの数学史との関連性の説明が不足で、著者がここで対称性に拘る理由が理解出来なかった。最後は量子力学。シュレディンガーの波動方程式とハイゼンベルクの不確定性原理。反目した二人の理論が等価と言う事実はやはり美しい。そして、電子の相対論的量子モデルを定式化したディラック。これは先の4元数と巧く対応するのだ。量子力学に群論を持ち込んだウィグナー。そして、最近の素粒子論では対称性が鍵だと考えられていると言う。南部理論が紹介されているのも嬉しい。最後は"ひも理論"の話。

相対論と量子論の統一に向かって、美と言う観点から興味深い歴史と話題を提供してくれる本である。
「普通」の人には理解不能?・・・でも楽しめます。 ★★★★☆
冒頭には「美は真なり、真は美なり」というキーツの言葉が掲げられていて、この精神が全体を貫いていると言うことかな。

全16章の目次を見るだけでこの本の性格は分かります。「バビロンの書記」「王族の名」「ペルシャの詩人」「ギャンブルをする学者」「ずる賢いキツネ」「失意の医師と病弱な天才」・・・・「特許局の事務員」・・・・「政治記者」「数学者達の混乱」「真と美を追い求める者たち」。古代から始まった、現代の最先端の「数学」「物理学」にまで連なる人間達の熱いドラマという趣の本です。

無名の古代人からアインシュタイン位まで・・・全体の4分の3くらいまでは結構楽しめます。実に「人間臭い」エピソードが満載で退屈しません。数学的な部分に関しては分かる人は分かる、分からない人は分からない・・・。私も含めて分からない人が多いと思いますが(笑)それでかまいません。難しいと感じる部分はドンドン飛ばして行きましょう。最後の部分は・・・ほとんど「お経」で・・・ありがたい事です・・・。(笑)

端から見ると笑える部分、壮絶とも言える数学者たちの生き様、そして彼らを惹きつける数学の「魔力」と「美しさ」が描かれています。究極的には宇宙の全てを表現する事の出来る「美しい数式」・・・「普通」の人間には理解し難い「美しさ」ですが、表紙に美しい蝶を載せる事で分かってもらいたいという著者の「願い」が伝わってきます。

ただ・・・肝心の「対称性」って何なのか?・・・私の頭では実感出来ませんでしたね。(笑)

所詮、言葉では言い表すことのかなわない「至高の美」・・・そういう物だからこそ、彼らは惹かれるのだ・・・と言う事にしておこう・・・。
この世界は8元数の世界なのだ。! ★★★★★
 「美が真で真が美であるのはなぜか?」冒頭のはしがき、から興味をそそられ、対称性、を主題とした数学、数学者、物理学者たちの人生・物語、最後まで興味が尽きませんでした。
 前半から中盤にかけて、2次方程式や3次方程式が累乗根で解けるのに、5次方程式が一般解を持たないことの証明、そこに登場する、若くして逝った数学者エヴァリスト・ガロア。
 例えば正7角形の作図法がユークリッドの原論から導く事が出来ない、という話に、5次方程式が累乗根で一般的に解けないという議論が混じり合い、「1のn乗根が持つある美しい性質」「累乗根は複素平面上で一つの頂点を1に合わせた正n角形の頂点を構成する。」(93ページ)へ繋がっていきます。複素平面上の円周上に、例えは1の5乗根がきれいに並ぶ図が載っていて「とても美しい性質」(94ページ)と私も思ったのですが、でもどうして?と考えて立ち止まってしまいました。
 自身、実際に数学書で、これが、
(cosθ+isinθ)n=cosnθ+isinnθ、(ド・モアブルの定理)により導かれることを確認したのですが、数式による表現を極力避ける、とは言え、ある程度、数式による説明があった方が判りやすいのかな、とも感じました。
 後半、数学と物理学が一体となってゆき、その神秘的な世界に、頭がクラクラして来ます。アインシュタインと無名の数学者テオドール・カルツァとのやり取りが興味深く、”統一場理論”へまとめ上げるための過程で、「空間は実は4次元で時空は5次元だと考えなければならない。」「光は余分な隠れた空間次元の振動・・・」(283ページ)!?この著作を読んでいて、改めて、中世ヨーロッパの哲学者が何故に真剣に数学を研究したのか判るような気がします。世界とは何か。存在するとは何か。物理や数学は、哲学的思考と一体なのですね。
 余談ですが、私はこの著作を、朝日新聞・日曜書評欄で、論説副主幹の尾関章氏の書評に出会い手に取りました。毎週のように難解な科学書や本格的な小説を評されている尾関氏に、とても尊敬の念を憶えます。