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父の暦 (ビッグコミックススペシャル)

価格: ¥1,050
カテゴリ: コミック
ブランド: 小学館
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生涯に一度は読んでおくべき作品 ★★★★★
父の訃報を知ってからも淡々としていた主人公が、帰郷してから少しずつ親の想いに気付かされていく。
特別な演出も無く進む物語の過程はありふれた日常に過ぎず、しかし、本人しか感じ得ない特別な瞬間に満ちている。

子供が出来て初めて親の気持ちが分かる、とは誰もが知っている言葉だが、親になったという事実が精神の面倒まで見てくれるかと言えばそうでもない。この本はその点を――人が大人になる瞬間を綴っているような気がする。

親と不仲の人には、特に打ち響くものがあるのではなかろうか。
故郷は失うたびにあらわれる ★★★★★
故郷を必要とする人もいるし、故郷から離れようとする人もいる。
どちらにせよ人は自分の故郷とどう向き合うのか、いつも問われているような緊張を強いられている。
外に出た人は、少し後ろ髪をひかれる思いで、故郷に恩返しができていないなと反省したり、故郷にとどまった人は、都会に出て行ったらもっと人生が変わったかも、と夢想してみる。
故郷はやさしいようでいて、こんな風にどこにいってもまとわりつく、やっかいなものでもある。
主人公の父親は、他の多くの父親と同じように、地元で寡黙に仕事を続けた。息子は東京で仕事をして、実家には帰らなかった。高度成長期とはそういう時代であって、多くの家族がそんな別離を経験し、多くの親子が同じような距離を置いて、日本は成長を続けた。
いま、日本の成長は終わり、人々は故郷に帰るのか。おそらく帰るべき故郷は、記憶の中にしかあるまい。過去に戻ることができないように、故郷に帰ることもできない。本書の父親のように、失った時に失ったという事実のみを突きつけられ、胸を締め付けられるだけだ。それくらい故郷は面倒な存在なのだ。作者は単なる郷愁で本作を描いたのではなく、故郷のそんな厄介さを、美しい画で描いた。最後の言葉は余分で、説明がなくても読者は十分に失われた故郷の存在を確かめているはずだろう。
鼻水と涙が止まりませんでした! ★★★★★
誰にとっても【故郷】はあります。この主人公を通して、家族(親族)の様々な愛を学びました。 絵の緻密さもさることながら、父親という存在の重さを再認識した作品でした。 物語の後半部分は目が潤んで仕方がなく、創作とはいえ著者の真意が伝わってきました。
素晴らしい漫画です。
父の暦 ★★★★★
学生時代に鳥取で過ごし、当時この本を全部ではないけれども、一部分読んだ記憶があります。
あの本はなんだったかと思いながら、この本を求めました。当時は、学校は、すでに湖山に移っていて
オウチ谷公園を知っている学生は、地元出身者でなければ少なかったと思います。本当に懐かしい本です。 
人と人とのあいだに・・・ ★★★★★
 大学入学を期に東京に出て、故郷に帰らぬ陽一の下に、父の訃報が届く。
 今、この時代に、同様な事態に直面する人はあまたいるだろう。その時脳裡に去来するものは何か? 多くの人にとって、父母兄弟姉妹の思い出に含まれるなにがしかの違和の記憶ではないだろうか。決して、幸せや喜びの記憶があることを否定するものではない。だが、後悔しない人生を送る人がいないように、誰でも、どこか苦い思い出を持ってしまうに違いない。
 陽一が、実家に帰らないのは、父に対するわだかまりがあったからだ。だが、通夜に出た陽一は、それまで思いもよらなかった父に関する多くの事実を知る。自立心に富んだ父。その父の思いを形にした理容店に襲いかかった大火災が、家族そのものを変えていく。父の心に思いを及ぼそうとしない母。そして父母の離婚。陽一にとって、その耐えがたい体験が、父との間に、さらに義母との間に距離を生んでいく。その陽一を折々の場面で見守ってきた伯父が、何と魅力的なことか。その昔、このような甥や姪に、さりげなく心遣いをしてくれる伯父さん、という立場の人がそこかしこにいたような気がする。
 この作品は、通夜、葬式の場での、故郷の人々との交わりを通して陽一が、過去を受け入れるようになる移り行きを描いている。多くのエピソードが、自分に起こった事実であるかのようなリアリティを持って迫る。珠玉の作品である。