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清朝の王女に生れて―日中のはざまで (中公文庫BIBLIO)

価格: ¥840
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
Amazon.co.jpで確認
Review『『清朝の王女に生れて―日中のはざまで』そして、ご本人にお会いして。 ★★★★★
著者がどんな風に生き抜いてきたのかを知りたくて読書。

2008年12月6日(土)に「川島芳子」のドラマが放映された。著者はその末妹であ
り現在も北京郊外でご健在。年末にお会いする機会がいただけたので色々伺って
みたいと考えている。

戦前はある意味で日本に多く影響されて人生が動き。戦後は共産党政府の国策の
ため非情で前半生からは想像もつかないような残酷な運命を著者へ与えた。

本書は著者自身の手による回顧録であり自伝小説である。そのために本から飛び
出してきそうなリアルな描写が随所にある。

どんな状況でも肯定的に考えて、その場でできるベストを考え行動し力強く生き
抜いてきた印象である。
本書からは悲観的な内容はあまり感じられない。しかし、筆舌を尽くしがたい苦
労と自尊心を傷つけられたのだと想像できる。

著者の本書にあるような肯定的な性格が91歳でご健在であることへもつながって
いるのだと思う。
八大親王の筆頭格である粛親王の末娘で唯一の生き残りである。

強制労働終了後、北京での再出発。古い友人との縁故が復縁する場面は感動的で
著者の戦後の苦労の歴史を考えるとわけもなく涙が出てくる。

戦後直後から面倒を見られていた姪御さんたちは現在どうされているのか、また
その父親であるお兄さんはその後どうされたのかなども気になるところである。

読書時間:約5時間30分

久しぶりに精読しました。そのため肩こりがすごいです(笑)

ちなみに放映されたドラマの公式サイト男装の麗人テレ朝なのであんまり期待は
していないです・・・・・・^^;


上記レビューは12月8日に書いたのものです。2008年12月27日に天津郊外に住んで
いる愛新覚羅顕キさんへお会いしてきました。
本書から感じられるとおりサバサバした、明るく快活な性格の方でした。驚いた
のは普通の日本の91歳のお婆さんの日本語でした。獄中生活などのエピソードや
留学時代に住んでいた東京世田谷のこと、本書後のお話なども聞かせてもらいま
した。

本書は15年の獄中生活、その後7年間の天津郊外での強制労働。そこから解放され
て名誉回復し、社会復帰したところで終わっています。

伺うとそれから日本語学校を創設し、東京や静岡や全国へ行かれていたそうで
す。本書のあとの30年の話だけでもう一冊書けそうなボリュームがありそうでし
た。

戦後政策で多くの日本人が失った戦前の日本的な部分を持ち続けている方なのか
もしれません。現代の私たちはむしろそんな人生の先輩たちから学ばせてもらう
必要があるのだと強く感じました。
多くの日本人が失って、顕キさんや台湾の李登輝さんが持っている日本的なもの
を・・・・・・。
川島芳子の実の妹の人生 ★★★★☆
 東洋のマタハリ 川島芳子の実妹 愛新覚羅顕gが
書いた半生です。歳が離れていたのか期待していた
川島芳子の記述はほんの少しでした。

 前半部分は、あまり面白いとは思わなかったので
すが、15年の刑務所生活を送るきっかけとなる部分
から、ぐいぐいとストーリーに惹かれていきました。

 日本での学習院生活では日本人に馴染んでいると
は思えない感じでしたが、北京での生活を見ると中
国人の気質とも違う方のようです。

 彼女が満州人であったのか、それともお嬢様気質
が災いしてこのような人生を歩むことになったのか、
日本人にも慣れず、中国社会にも沿わず・・・。
しかし、刑務所生活15年強制労働7年の生活の中で
唯一の心の支えになったのは日本留学時代の旧友達。

 物語としては1級の材料ではあるが、洗練されたも
のではなく、彼女自身の肉筆を重要視して出版された
本のようです。それが故に彼女の人柄などがかいまみ
れます。非常に忍耐強く、政府を憎むでもなく、生ま
れを憎むでもなく、そして、時代に媚びることなく生
きてこられた方だと思います。人生の大半を家族や愛
などのために生きることがなかった点が可哀相な人生
を送った方だと思いました。
過酷な半生、でも前向きに ★★★★★
幼い時に両親は亡くなっており、王女といっても本当に末娘なので普通の「王女」とは多少違うかもしれません。
学習院時代のことや、川島芳子さんとの思い出も書かれています。
様々なことで過酷な半生になってしまいましたが、それでもやはり愛新覚羅家の王女の血筋があるからか、意地悪さやガツガツしたところがなく、前向きさがあります。

落ち込んだ時などにこれを読めば、少し元気が出る気がします。

鷹揚なお姫様が文化大革命を生き抜く ★★★★★
著者の父は西太后の夫同治帝の弟にあたるので、著者は生まれたときかられっきとした清のお姫様。父母は早くになくなったものの豪華な屋敷で召使に囲まれ、対戦前には学習院大学での留学をしたり何気に有名スパイの川島芳子と身内で知り合いだったり、上流階級として暮らす。そのうちに清が名実ともになくなり、日本軍の進撃、国民軍、続く共産党支配の時代、革命と粛清の波を、著者は中国の真っ只中で「もと王族の庶民」として経験する!当局による保護は一切なし。むしろ投獄されたりするが、著者の生命力というか、バイタリティはすごい。どんな逆境も笑って乗り切り、攻撃や皮肉も真剣にとらえない。鷹揚に激動の時代を乗り切っていく。中国を嵐のように過ぎ去った時代の中で精神的に強く明るくあることがどれだけ必要か考えさせる本。他の文化大革命の本とは神経質さが違う。あくまでも明るく現実的なところが著者のおおきな能力であろう。