初期の作品ということもあり、一部、断定的な意見に疑問を感じたりとしましたが、総じて見ると学びの多い良い本でした。

本書の中で安田さんは以下のようなことをおっしゃっていました。



仕事も会社も社長も、好きか嫌いかで選べばいい。

私は、仕事を楽しむには、ふたつの「好き」が必要だと考えている。
ひとつは、その仕事をする「目的（理念）」が好きかどうか。
そしてもうひとつは、「一緒に仕事をする人」が好きかどうかである。

好きな人と、好きな人のために、納得できる仕事をする。

この「目的」と「仕事をする仲間」のふたつが好きであれば、たぶん、仕事というものはどんなことをしても楽しめるのだと思う。



これには心から共感しました。
安田さんの考え方、僕は好きです。

前作「採用の超プロが教えるできる人できない人」と
ともに読むのをお勧め。前作で会社で働く社員(労働者)に
ついて記し、今回は社長(使用者)について記されている。

私も職種柄、色々な社長とよくお会いするのだが、
同書に書かれている通り、本当に人材の重要性を
理解している人が少ない。それは『皆無』と表現しても過言ではない。

コスト意識と言えば聞こえは良いのだが、
『如何に安いお金で良い人を雇うか』
その一点に集中しておられる人ばかりだ。

ぜひ同書を手にとり、
『「できる人材」はそれに見合ったお金がかかるのですよ、
でも採用にかかった以上の利益を会社にもたらしてくれるのですよ、
結果として、会社は大きくなり、社会にも貢献できるのですよ』という
好ましいサイクルを学んでもらいたい。

著者は、自分自身こそが理想的な社長と言いたいのであろう。
「伸ばす社長とは」と述べた後に「ちなみに私の会社では」とくる。
内容を読む限りでは特別優秀な社長とは思えない。
「社長室を作るな」「髪型を変えろ」とか、とにかく内容が浅い。
ワイキューブは社内にバーを作っているのが自慢だそうであるが、新卒人気ランキングの向上に大金を使うのはマスコミ受けを狙った広告宣伝費と考えるべきだろう。

中でも私が一番気に入らない点は、著者が「良い人材は育たない！」と人間の成長の可能性を真っ向から否定することである。私の少ない人生経験においてでも、突然優秀な人材に成長する人間を何人も見てきている。良い人材は本人の意識次第で育つのだ！

人材”採用”コンサル会社の社長の言うことを鵜呑みにしてはいけない。

普通に勉強している社長には読む価値なし。
「会社を伸ばしたいなら自社のコンサルタントを受けましょう、そのための金を惜しんではいけませんよ」というメッセージが見え見え。
売上高とキャッシュフローの違いも理解していないコンサルに何を相談すればいいのか？

これは絶対読むべき！！私は中小企業の一社員。末端の人間ですが、私が会社に抱いている不満がすべてこの本ですっきりしましたよ。会社を伸ばすにはやはり自分を変えないといけない。