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ナポレオン(上) (講談社学術文庫)

価格: ¥1,418
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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「いつまでつづくのやら!」ナポレオンの母后レティシアの決まり文句 ★★★★☆
原著が、1924年に書かれたとは思えないほど古臭くなく読みやすく、ナポレオンの人間像をうまく捉えており、賛否両論を含めナポレオンに対する熱狂ぶりが現在まで衰えない一因を覗かせてくれるような気がしました。各章ごとに略年表と、関連する登場人物の肖像画があるので、読む上で助かりました。文章の特長として、また一番面白く感じた点に、ナポレオンの下す人物評の描写が秀逸で、敵対者、部下、親族、女性に対するナポレオンの考えを作者は、的確に、時にユーモアや皮肉を交えて推察しています。一例として、ジョセフィーヌとの離婚後、ハプスブルク家の皇女を妻として出迎えた馬車の中で、「皇帝は観察する。美しくはない。天然痘の痕があるし、唇は分厚い。瞳は空色。年のわりに胸が大きすぎる。が、とにかく若いし、ぴちぴちしている。」
人間ナポレオン ★★★★☆
「ナポレオン像を書くに当り、筆者は、国家との関係より、道義との関係に重きをおいた」(本書序文)

 ナポレオンについて言及するにあたっては、彼の人物像の倫理的評価は避けて通れないだろう。そして行為の倫理的側面については、その人間の内面に踏み込んで記述することは避けられない。本書では、ナポレオンの個人的な心情の吐露から、国家観、法観念、人間評価といった面から、一個人としてのナポレオンを探るというアプローチを取っている。そのためか、マレンゴやアウステルリッツ、イエナやフリートラントといった名立たる戦勝の軍事行動に関する記述は殆どなされていない。

 一方でこの「行為の人」の行動の背景にある人間性や思想(?)と言ったものに関しては興味深い内容が多く含まれており、そういった面に関しては一読に値すると思われる。革命に対する立場、民法典編纂時の発言や学問・芸術に対する姿勢、歴史的人物に対する評価、彼の出自にも関わる政治的立場といったものは、その後の近代の国家観に重大な影響を与えた強烈な個性を理解するうえで、貴重なものと言えると思う。
 この後、本書で指摘された彼の中の矛盾が、彼を没落に追い込んでいく経緯が下巻で述べられると思うので、下巻を期待して待ちたい。