子ども向けだからといって、あなどることなかれ。居飛車、振飛車の代表的な定跡を、網羅的に且つ簡単に知りたいと思う方にオススメ。ルールを覚えたばかりでどの定跡を身につけようか迷ったら、本書を読んで定跡を一通り知り、気に入ったものを深めていくとよいと思う。

将棋に限らず勉強を始める時、一冊で使いこなそうと内容がつまった分厚いものを選んでしまいがちだが、実は薄い本で全体像をつかんでから、細かい部分を深めた方が効率がいいものだ。

普通の定跡書は長くて変化もたくさんカバーしているので、概要を理解する前に疲れてしまう。本書は一つの戦法が長くても10ページで終わるので飽きないで読み通せる。また他の本では知っていて当然として解説しないような、なにげない一手の意味をしっかり書いてくれているのも助かる。