朝鮮出兵〜秀頼誕生。
★★★★★
千利休の切腹、秀長、そして鶴松の死ときて、大政所の死・・・・と
まるで今までの好運から見放されたかのように、次々と不幸が秀吉と
豊臣政権に訪れます。この秀吉の‘朝鮮出兵’ですが、発想そのものは
決しておかしなものではないと思うのですが、戦の準備や展望については、
何ともオソマツでした。元々、秀吉以外はこの出兵には反対で、
早期終戦→講和のシナリオありきで、開戦した経緯の帳尻が度重なる
‘豊臣家の不幸’で計画通り進まなくなりました。
そこで家康公、あくまでもポスト秀吉を視野に入れ家臣たちを鍛え始めます。
本多佐渡守正信もこの頃からグッと器を大きくし、家康公の側近として
重きをなしてきます。今までの‘随風’改め‘天海’が改めて、公と
江戸で会見します。
一代の矯児‘秀吉’のその天才ゆえの孤独を冷静に観ていたのが、家康公でした。
巻の最後にその後の諸々の発端のもとである運命の子・秀頼が呱呱の声をあげます。