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青が散る〈下〉 (文春文庫)

価格: ¥490
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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「潔癖」と「王道」 ★★★★★
 「潔癖」と「王道」
 いずれも担当教授が主人公に贈った色紙の言葉である。
 この2語がこの作品を物語るキーワードのように感じます。
 青春時代の友人関係や異性との関係をうまくまとめたほろ苦い作品です。
ありがとう ★★★★★
いい本に巡り会うことができた。時が過ぎ、燎平達が四回生になり、テニス部を引退し、卒業が迫るにつれて少なくなっていくページに、無性に寂しさを覚えた。この本の名場面を挙げるのは難しいが、私は、燎平がテニスコートに貝谷と金子を見つける所からのラスト30ページを推したい。何度読んでもいい。本当にせつなくなるし、燎平、夏子がたまらなく愛おしくなる。


この物語は、比較的わかりやすく、感情移入がしやすかった。ただ、同時にこれは小説だからだとも思ってしまった。この小説が原作のドラマが過去に放映されたと知った。名作と言われるこのドラマは、彼らの世界をどう表現したのだろうか。観たことのない私は読後、非常に気になった。

とにかくオススメ。ぜひ読んで欲しい。


胸打たれる物語・・・とにもかくにもおすすめします! ★★★★★
1982年に刊行された大学テニス部を舞台にした小説の新装版。

後半の読みどころは多数あるが、主人公・燎平の恋の行方は敢えて外し、彼と年長者との交流を挙げておきたい。ことに、大学の老教授とのそれはしみじみと印象深い。
教授は、二回無断で授業を休んだ燎平が許しを請いに出向いた際、珈琲をたててくれ、「自由と潔癖こそ、青春の特権ではないか」と言う。二度と無断で休まないと誓うならこの珈琲を飲みなさい、誓えないなら出て行きなさい、どちらも君の自由だが、こそこそ授業をずる休みするのは潔癖でないと。燎平はこの教授が好きになった。「自由と潔癖」、名言ではないか。
そして後に燎平が手ひどい痛みと哀しみを負った時、彼のうちに渦巻く汚物を「すさまじい清流」でもって押し流してくれることになるのだった・・・

こんな小説を読んでいると、大人との貴重な出会いや絆の形成も「青春の特権」に思えてくる。だが実際はどうか。燎平のように懸命に生きた若者が皆立派な大人に巡りあえるか? 否だろう。立派な大人の絶対数が足りないのだ。そう、だから本書を読んでほしい。燎平の放つ若々しさ、まばゆさと、年輪を重ねるほどに厚みと陰りを増した教授の対比が活きており、エピソードがしみじみと刻まれる。

この対比の見事さは、小説全体を覆っているようにも思う。この小説の魅力のひとつはコントラストの強さではないか。まばゆさと陰り、哀歓、爽やかさとやるせなさ、希望と挫折・・・だからこんなにも強く物語が心に焼き付けられるのである。