長所:
該当する単語がどのような使い方をされるのかが一目で分かる。見出し字・見出し語に(古語を除き)品詞が明記されている(見出し字が単独で使えない場合には「付」と表記してある)のは勿論のこと、全てではありませんが、例文内で該当する単語がどのような機能を果たしているのか(主語なのか、目的語なのか、動詞であれば目的語を取っているかどうか)まで明記してあります。単語の意味だけでなく用法までを手っ取り早く知りたい時に、この機能の表記は非常に重宝します(私自身、中国語で文章を書く時にかなり助けられています)。英和辞典であれば今や当たり前ですが、中国語辞典としては画期的です。この点、いくら評価してもしすぎることはないでしょう。
短所:
(1)類義語の使い分けをまとめて解説していない。
(2)最近の辞書であれば普通載っているであろう単語が載っていない(これはこの辞書の編纂・出版の経緯によるものだと思います)。
(3)単語レベルでは、どの単語も並列に扱っており(重要語・重要義を強調していない)、やや見づらい。
主観的な見方になりますが、使った感触は、所謂メジャーな辞書(小学館・講談社など)とはかなり異なると思います。この辞書を購入するかどうかは、ご自分のレベルや辞書に求める内容・機能などをよく考えた上で決めればよいと思います。私は「長所」に挙げた点が便利なので、中日辞典としてはこの辞書を機軸に据えています。
評価ですが、「機能表記」と、よく言われる「読む辞典」としての価値を考え、星4つ付けたいと思います。