医薬品で頻繁に使われているヘテロ環も、有機化学の教科書にはそれほど詳しい解説がない。本書は、ヘテロ環の種類、その合成法、反応性を解説してくれており、基礎的な知識を身に付ける上で最適の書である。教科書的な色彩が強く、文献がないので合成法を調べる事ができないが、コンパクトにまとめられていて、全体像を見るのに最適。この分野を知る上で、まず最初に一読してみるのは良いと思います。

ヘテロ環化合物の基礎を知る上では役に立つ書籍。最近改定されたヘテロ環化学（基礎編、応用編）を読む前に使うとよい。ただし、参考文献を明記していないため、原著論文を読みたくてもたどっていくことができない点が不満が残る。ヘテロ環の概要を知るということに使い、詳細は上記書籍やcomprehensive heterocyclic chemistryを参考にすると良いと思う。工業的な応用は非常に広いにもかかわらず、和書の数が少ないヘテロ環。そういう意味で、和書の出版は歓迎できる。