襲名を終えて、
★★★☆☆
漸く大名跡の襲名興行を終えて、芸の円熟期に入った途端に癌でこの世を去らねばならなかった若旦那(11代目市川団十郎がモデル)の無念が泣けます。もっと生きて、もっと舞台に立って欲しかったと、今も多くの人が偲んでいることでしょう。
下巻の前半を占める主人公(女中)と若旦那の恋愛話は、世代が違いすぎる為か、1ミリも感情移入出来ませんでした。
構造としてはシンデレラストーリーですが、ある程度年配の女性向けですね。
ぜひ映像化を
★★★★☆
日本の伝統と女性の生き方が絡み合う でも運命に負けない主人公の生き方に感動
厳しい時代だからこそ今読みたい1冊です
ぜひ現在の海老蔵さんがおじい様の役で映像化される事を望みます
海老蔵のお祖母様
★★★★★
小説を書くにあたって、
十一代團十郎のすさまじい癇癪(かんしゃく)に耐えた姿を書くということで
今の團十郎サイドからは色よい返事がもらえなかったそうです。
しかし、團十郎さんの心配をよそに
読み終えたあとは
まるで運命かのように結びついた雪雄と光乃夫婦を、とても素敵だと思いました。
そしてその子供である今の團十郎さん、その孫である海老蔵さんにも、更に興味がわきました。
小説としても素晴らしいし、歌舞伎に興味がある方や、もちろん成田屋贔屓の方も、
楽しめると思います。
市川宗家の重みというか、プレッシャーというのは、並大抵のものではないのでしょうね。
團十郎さん、海老蔵さん、応援したくなりました。
歌舞伎と女
★★★★★
芸の世界、個性だらけの人のなかで自ら影の道をすすんでいく。
赤ちゃんが生まれるシーンなど、ノンフィクションとは思えません。
最後は夫婦愛で涙がとまりませんでした。
神々しい女性
★★★★★
主人公の一生を言葉で表現するなら「忍耐と献身」であろう。自分よりも主のことをまず考え、自分が守るべき分を常に考える人。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を地でいく人。そういう生き方を貫いた人だからこそ、尚更、出産シーンには神々しいまでの人間力を感じた。とても爽快な読後感だった。