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松風の家〈上〉 (文春文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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古い家制度への郷愁を感じた ★★★★★
宮尾登美子が古き時代の女性の生き方を書いたものとして「蔵」「一絃の琴」「菊亭八百善の人びと」「伽羅の香」などを読んできた。

本書は千利休を祖とする茶道家が、衰退の末貧窮から立ち直る物語で、主人公は由良子だが、軸足は宗家そのものの変遷に置かれている。

最初は業躰、老分などお茶独特の言葉が出てきて、長々続く祖母の語りは少し難しいが、茶道の世界を概観してのプロローグとして必要だ。

秀旦二百五十回忌などと代々の先祖を長々と供養、その度に盛大な茶会を催すのだから、貧乏人には縁の無い世界ではある。

でも古い家制度の下で皆が結束する生活は、茶道にあまり縁の無い我々でもそれなりにちゃんとあったのだが、戦後急速に失ってしまい、なんとかけ離れてしまったものかとの感を本書で深くする。

そんな時代に帰ることはもう無いが、本書は日本文化の美意識の心が込められており、良きものも沢山失われたことを気づかせてくれる。

主人公の由良子や紗代子と継母の関係も色々波瀾はあっても、生母以上の感謝の気持ちを持つに到るのは、作者自身の生い立ちから来るのだろう。京言葉、仙台方言とも例の如く地方色が良く生かされている。

夫婦・家族への愛、家業・伝統への情熱を書く筆致に引き込まれる ★★★★★
何気なく読み始め、登場人物の多さに家系図を参照しながら読み進めたが、次第に登場する人物たちの抱える情熱、愛情、誇りが丁寧に描かれれていることに虜になり、結局、一晩で読破してしまった。茶道は習ったことのないものの、茶の世界の深さ、支えてきた多くの人々の情熱や優しさ、お茶を通じて人とふれあう際の処世術などなど、数多くのことが人生のヒントになる。読んで損のない作品である。
松風の家 ★★★★★
茶道裏千家をモデルとして描かれているこの物語。
かつて想像することも出来ない程の貧困と零落にみまわれた
時代を生きてきた千家の、とりわけ表には出ることのない女性たちの
働きと生き様にスポットライトがあてられています。
毎日の食べ物にも事欠き、伝来の茶道具の品々を質に入れて食いつなぎつつ

誇りを失わず家元を支えている人々の姿には心打たれます
涙なくしては読めません!京女の芯の強さは感動モノです。
茶道入門者、必読ですよ。

松風の家 ★★★★★
茶道裏千家をモデルに描かれたこの物語。千家の、
かつての想像を絶する不遇の時代にスポットライトをあて、
この時代を生き抜き支えた家元一家の
とりわけ普段表に出ることのない女たちの
視点とその働きが描かれています。毎日の食事にも事欠き、
千家伝来の茶道具を質にいれて食いつなぎつつも、

茶道家としての誇りを失わずに家元を支えた妻や子供たち・・・・
考えられない苦難の数々の上に今の繁栄と栄華があるのだと
思うと、ジンとくるものがあります。
とにかく強く、たくましく生きてきた千家の女たちの様には
涙してしまいます!茶道入門者、必読です。今後のお稽古に身が入りますよ!!

茶道の家元がこんな貧しい生活をしていたなんてびっくりしました ★★★★☆
茶道の家元といったら皆金持ちで優雅な暮らしをしてきたと思っていたのですが、大間違いだったのですね。食べるものにも事欠き、家の家宝をひとつひとつ売って、食いつないでいる、本当に大変だったのですね。