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女ざかり (文春文庫)

価格: ¥864
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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おとぼけしながらシリアスな。 ★★★★☆
こういう400pくらいある小説は、普段は根気が続かず1日100pずつくらいしか読めないものなのですが、一気に読みきってしまいました。なぜなんだろう、途中で止まれませんでした。
これはなぜかな?と考えてみました。主人公のように、箇条書きで。
1.登場人物が何故かどの人も憎めない。只悪い人はいなくて、悪いことをする人も「わかる、わかる」とうなずける。
2.途中から謎が謎を呼び、道具仕立てがどんどん大げさで偉い人相手になっていく。なのに、妙に庶民ぽいのりで話は進んでいく。そのギャップがいい。
3.最後までとても勝てなそうな戦いで進んでいくこと。でももちろん勝つのだが、思いもしなかった展開でした。
4.ところどころ、本筋に関係ないけれど、くすりとしてしまう話が湧いている。
うーん、まだまだありそうだけど、すぐに浮かばない。でもこんな感じです。
他の著作も読んでみたくなりました。
小説の衣をまといながら、日本社会の本質を見つめる ★★★★☆
六大新聞社の一つ、東京・大阪圏で勢力を誇る新日報社。社内の派閥争いのはざまで、家庭部のデスクだった南弓子が論説委員となるところから話は始まる。弓子は離婚歴があり、大学院生の娘が一人。新潟の大学に勤め、週に一回東京に教鞭を取りに来た際に会える哲学者の恋人がいる。弓子が書いた、単身赴任にまつわる話題を社説が問題視されたため、弓子は論説委員の地位が危うくなる。友人・家族を総動員して調べていくうちに、政府与党と献金している宗教団体、また新日報社に対する新社屋用地払い下げ問題などがあきらかになるが・・・。

表向きは弓子と会社の間の駆け引きが主になっているわけですが、その裏にあるのは、丸谷氏の日本文化に対する鋭い分析です。話が進むにしたがって、贈り物を互酬することで契約関係を作り出す日本文化の根深さと、西洋的民主主義との背反性が浮き彫りになって行きます。小説の衣をまといながら、日本社会の本質を見つめているわけです。

弓子やその恋人の哲学者などの「善玉」が、贈物を根幹におく日本の政治と社会のあり方を批判しているようで、実は彼ら「善玉」も根本のメンタリティは批判されている側と同じ、つまり贈り物によって契約を結んでいる、という円環構造が秀逸です。日本の歴史は、底流でこうした円環が次から次へと鎖のようにつながっているのではないか、そんなことを考えさせられました。

最後に、構成の緻密さと勢いのある展開が素晴らしいです。一級の知的チャレンジです。

うっ上手い ★★★★★
完全に計算されつくした小説。書き始めたときには作者の中でもう全部出来上がっていたのではないかと思わせる。芥川の文学をやりたかったら数学を勉強しろという言葉はこのことだったかと納得してしまう。「うっ上手い」と唸ってしまう傑作。