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たった一人の反乱 (講談社文芸文庫)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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理路整然としたドタバタ喜劇 ★★★★☆
 主人公の「僕」こと馬淵英介は地方の旧家の生まれで、通産官僚を
経て電器メーカーの重役となる普通の「市民」で常識人だが、二まわり
年下のモデル「ユカリ」と再婚したことを皮切りに、一癖も二癖もある
個性的な人間達とのトラブルに頭を悩ませる毎日となる。村上春樹の
『ダンス・ダンス・ダンス』もかくや、と思わせるほどスピーディで
目まぐるしいストーリー展開を誇り、しかもそれぞれのキャラクターが
別のキャラクターと絡むことでより一層複雑で一筋縄では行かない
展開と化すが、「カーニバル文学者」としてのジョイスを尊敬する丸谷らしく、
一見するとカオス状態であるかのように見えて実は非常に理路整然とした
構成をしており、あたかも一曲のシンフォニーやモーツァルトの喜劇オペラを
聴くかのように感じさせられるだろう。なお、この作品に関しては、分量をものとせず
一気に読み通してしまうことを薦めたい。
『裏声』よりもこちら ★★★☆☆
~「市民社会」といわれるものが立っている前提について、主人公の独白を通じて接近してゆく。その過程で、ほとんどの登場人物がそれぞれの立っている前提に対して反乱を試みるのだが、ある者は元の鞘におさまり、ある者は逸脱してゆく。個々の登場人物が面白い。主人公である企業の重役(元官僚)、大学教授、モデル、お手伝いさん、前科者。これらの人物は、~~社会のある類型を示していると言えるだろう。
国家をテーマとした『裏声で歌へ君が代』よりも文章がスムーズで、ストーリーの展開も軽妙。~
マルヤ! と掛け声を。 ★★★★☆
この本の見所は、あまりにも多い。が、ひとつにしろ! といわれれば、誰もが、ある一シーンを選ぶだろう。ラスト間際、ある演説シーンがそれだ。

 熱狂的ファンを多数抱える一方、その分かりやすさで文学入門にも最適の丸谷才一。丸谷傑作長編小説三部作(勝手に命名)一作目であり、氏の日本人論の発祥であり、ゴシップ小説でもあり、浮気あり、説教あり、そして演説あり。なんでもありのありのすけ。面白すぎだよ、と呆然つぶやく読後感も最高だ。

 中身はよんでのお楽しみ。ここで言ってはつまらない。読めばわかる。読んで分かる。

 そして、あなたはつぶやくだろう。
 「丸谷を越えるのは丸谷だけだ」と。