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フォー・ユア・プレジャー (講談社文庫)

価格: ¥790
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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   保育園の園長にして私立探偵、子どもという天使とヤクザという悪魔を相手にした、究極の"二足の草鞋"生活を送る、花咲慎一郎シリーズ第2弾。新宿2丁目の無認可保育園「にこにこ園」の園長でありながら、園の赤字を埋めるため、ヤクザがらみの裏の調査業を引き受けざるを得ないヤメ刑事の主人公花咲。今度の依頼は、豊満ボディのOLが一夜を過ごしたお相手を捜し出すというもの。しかし、人捜しをするだけのはずが、愛する恋人が行方不明となり、元同僚が監禁され、あげくの果てには、妻に逃げられた男の世話までが降りかかる。偶然に思えたできごとの裏に潜む罠。花咲は無事脱出できるのか?

   柴田よしきの作品は幅広い。女性刑事を主人公にした『RIKO-女神の永遠』(第15回横溝正史賞受賞)で、心に傷を負いながらも懸命に闘う女性の姿を描き、一方、現代の京都を舞台に妖怪たちが暗躍する奇想天外な伝奇小説シリーズなども手がけている。本書は、著者の多彩な作品のうちでも、かなりポップな物語である。そして、とにかく主人公が魅力的だ。次々に舞い込む災難を不器用ながら乗り越えていく様、女ったらしなのにフェミニスト、子どもたちに注がれる深い愛情。完全無欠のヒーローにはない人間らしい弱さを見せながら、愛する者のためひた走る主人公の姿に、男女問わず魅了される読者は多い。(冷水修子)

楽しめる! ★★★★☆
城島から依頼される仕事はいつもトラブルを伴う。しかし、借金返済のためにはやらなきゃならぬ。園長の顔と私立探偵の顔を使い分け、危険も顧みず動き回る。城島、訳ありの女医奈美、それに山内練!花咲慎一郎の魅力もさることながら、彼を取り巻く人たちの、なんと個性豊かなことか。そして内容もテンポがいい。次から次へと起こるトラブル。どう解決していくのか?読んでいてとても楽しく、わくわくしてくる。ラストはちょっとまとまりすぎかな?と思わないでもなかったが、それもまたいいかもしれない。
心温まり、心洗われる作品 ★★★★★
前作にも増して、心が温かくなる作品です。もちろんドキドキはらはらのハードボイルド的な所もたっぷり見せます。主人公は磨きがかかって、前以上にユーモラスでそしてかっこいい。登場人物達の絡まりが安直と思われる点もありますが、それはさっ引いて、最近ミステリーの人間性に欠ける作品ばかり読んでいて貧しくなっていた心が、おかげで健やかに回復しました。是非読んでほしいと思います。
物語をより面白くさせているシリーズ第2作! ★★★★★
 元刑事で新宿二丁目の無認可保育園の園長の花咲は、苦しい園の経営を支えるべく私立探偵としての仕事も行なっていた。その花咲は探偵としての仕事をしている最中にヤクザの射殺殺害現場に行き、その容疑をかけられた。花咲は4千万の借金をしている春日組の若き幹部である山内に見つかるものの、昔の刑事仲間で今は企業舎弟となった斎藤を助けるために、真犯人を見つけるよう24時間の猶予を与えられた。果たして24時間で真犯人は見つけられるのか……。

 本書は前作『フォー・ディア・ライフ』の続編。主人公は前作と同じ花咲だが、前回同様に今回も命をかけた捜査が続きます。前作と同じく、脇役もしっかりとした存在感で、花咲に仕事を回す切れ者の探偵事務所の所長の城島、医師会からつまはじき!にされている女医の奈美、花咲の最愛の女性・理紗、花咲の元妻で弁護士の麦子……など、それぞれに展開に相応しく登場し、物語を盛り上げています。前作よりもやや迫力不足のようには感じましたが、引き続きシリーズで読みたいと思わせる展開で、花咲の苦闘が読み応えに繋がっています。