セント・ルナティックスのクルーで最大のそして唯一の目立ったメンバーは、ラップとR&Bを融合させ、予想はできるものの楽しめるアルバム『Suit』をまとめてきた。同時リリースのアルバム『Sweat』はクラブの男性ギャングに焦点をあてているが、こちらは女性ギャング向けのものだ。『Sweat』よりも叙情的な『Suit』は、よりソフトで、より理性的で、セント・ルイスのお気に入りの息子のあまり派手でない面を見せている。「Die for You」をチェックしてみよう。これは若さに向けたネリーの賛歌で、カリプソ風の内省的な「In My Life」では、バンドの仲間とチャンキーな宝石の向こうにいる世界的なラップの君主の横顔がさらに暴露されている。ネリーの独特な癖は、バックの美しいコーラスに隠れてかすみがちだ。「My Place」でのJahiemは現代のテディ・ペンターグラスのようだし、「Nobody Knows」のアンソニー・ハミルトンは彼がコンテンポラリー・ソウルのポピュラー歌手としてあまりにも低い評価をされていると思い出させる。ネリーが彼の中西部のスタイルをさらに多くのオーディエンスに紹介するつもりだと言った時、彼はいたって本気だった。カントリー界のスター、ティム・マッグロウまでも「Over and Over」の競演に参加している。（Dalton Higgins, Amazon.com）