おもしろい
★★★★★
いわゆるハスミ節(古くてすいません)は抑制気味で、判りやすいです。
でも、同時期のギンギラギン(古くてすいません)な蓮實著作と比べても、
大変重要な本。
評判が悪いので加筆。まず普遍文法から教育されたパスカルに逆らって、日仏の共存する言語環境に既に育ってしまう著者の息子、分娩の際に「ゴメンクダサイマセー」と美しい日本語で絶叫する著者の妻、広島で生まれ大打者となり、敵として広島市民球場で罵詈雑言を浴びせられる息子を目にして「日本語が分からない」と言い続ける在日の母、二者は一所をoccupyする能わずと呟く漱石、皇太后の睾丸、麻布のざぶは布袋のほて、ミシブチンや可哀想なゾケサ、ムッシュー・ルルーペラーニョ、オレはNOZ/SAKAだと呟く野坂昭如、、等々
登場人物(?)とその言語環境はシリアスかつ、とおっても魅力的。
重臣くんの幼少の姿が愛おしいです。
Chantalの若奥さんぶりも素敵です。
蓮實本は基本的にChantalさんに献辞が捧げられているものだけ読めばいいです。