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恋文 (新潮文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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さすが、名作の数々・・・ ★★★★☆
タイトルの【恋文】は、
粋で強がりで、どこかにありそうで「きつい」衝撃・・・

【ピエロ】は個人的に絶賛。
男が男に惚れる人生観に相好を崩してしまう。
頼もしさと、浮遊感が夫婦という強い橋の上で行ったり来たり・・・

【私の叔父さん】もいいねえ・・・・
まぶたを閉じれば、背景、描写がしっかりと浮かんで登場人物の表情まで見えてくる。

いつかまた、じっくり読むことになりそうだ。。。。。
短編の妙手をじっくりと味わえる作品 ★★★★★
どこにでも居そうなのに、やたら凄い人がいる。
何が凄いのかとその人の軌跡を考えるが、どれもが普通なことばかりなのに、
一人の人間として考えると、どうしようもなく凄いとしか思えない。

または、表情や仕草の所々にきめ細かさがあり、
あの時のその人の目配せはこうゆうことだったのかと、後になって気づかされる人もいる。


この作品はどれもがそう言った深みを漂わせた物語で、
バラバラの形をしたピースを前に小首を傾げながらも、後になると、その形しかあり得ないと思わせほど、
見事な断片がはめ込まれた一枚の絵を見て、思わず舌を巻いて唸りすらしてしまうのだ。

読み進めるうちに、読み手は何度も騙され、目を見開きながらページを繰る。

ただのトリックだけに終始せず、男と女の心の襞が何度も見え隠れし、
それらが作品の仕掛けを色濃く彩色する様は、何度読んでも飽きないだろう。

表題作の「恋文」が、まさかアレを指しているとは思いもしないし、
「私の叔父さん」で出てくる写真に、そんな意味があるとはと感慨もひとしおだ。

直木賞の選評でほぼ全ての銓衡員が、諸手を挙げて受賞に賛成したのは確かだと、
しみじみ思えてしまう作品だった。

五木寛之氏が述べた、
「造花の美が時には現実の花よりリアリティを感じさせることがある」という言葉がそれを表している。
ほんわかとあったまる小説 ★★★★☆
普段はあまり恋愛小説は読まないのですが、この作品は正解でした。

5つの短編全てが際立っていて、今でもストーリーが頭に浮かびます。
ただ、登場人物はどちらかというとなよっとしていて
自分勝手な男性が多いので、読み手によってはいらいらするかも
しれませんね・・・。

でも、ちょっとほっとしたいときにゆっくりと読めるいい小説だと思います。
私は個人的には「私の叔父さん」が切なくて好きです。
傑作率5/5 切なさ の集合体 ★★★★★
小説の言葉を借りると、『こんなすごい「短編集」、はじめてみたよ』。

5話からなる短編集で、キーワードは『白い嘘』。

人間は、他人を思いやるが故に嘘をつく。相手やお互いを想うからこそ
生まれる嘘。この種の嘘は、動物にはできない、極めて人間的な、つま
り人情味のある行為だといえるだろう。

全てに白黒をつけ、自分の幸せを追求するのが善だと思っている合理主
義者には、主人公たちはただ未熟だとしか映らないかもしれない。

でも、相手の気持ちを汲み取った上で嘘をつく主人公たちにふれたら、
「切なさ」という言葉の意味が分かるでしょう。ぜひ一読を。
しっとりとした味わいがある ★★★☆☆
時に、人は嘘をつく。その嘘は自分のためだけではない。
相手を思いやる気持ちが嘘をつかせることもある。その
ことが胸にぐっと来る。それぞれの話の中、登場人物の
つく嘘もそれぞれだけれど、そこには一様に切なさが
ただよっている。5編とも心に残る話だったが、愛する
妻に悲しい嘘をついた男の話の「ピエロ」、叔父、姪、
姪の娘の3人の心が織りなす切ない話の「私の叔父さん」が
印象に残る。洗練された、しっとりと味わいのある作品だった。