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論理学入門―推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)

価格: ¥1,019
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本放送出版協会
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「人間原理についての論理学的考察」がメインです。 ★★★★★
本書の半分は「人間原理」の考察で、本書の題名は「人間原理の論理学的考察」
とすべきではないかとも思います。
内容は簡単な説明の連続ですが、全体としてみるとかなり高度です。はしごを登り
続けてふと下を見ると異常な高さに目がくらむような意味での高度さです。

人間原理については、そこにいたる前提知識が必要です。
人類の存在する「この宇宙」は、当然に人間が誕生可能な宇宙です。
ビッグバンの速度や原子内部での力の強さや重力(万有引力)の大きさはもとより、
定数とされる様々な数値やダークエネルギーの量など数十の数値の一つがほんの
わずかに違うだけで「人間が誕生できない宇宙」になります。

これらの数値は、大統一理論により説明される可能性がないとも言えませんが、
素粒子レベルでの対称性の破れに起因するものなどは可変と見られているようです。
これらの数値が必然ではないとすると、「この宇宙」は奇跡的な偶然で人間の誕生を
可能とする絶妙な状況が生じていることとなります。
これが「微調整(ファインチューニング)」です。

学者により考えは様々ですが、ビッグバンが千兆回おきても人間が誕生可能な宇宙が
生じる可能性は千兆分の1以下というレベルの数値がよく出されます。
人類は、無限回数のビッグバンが生み出した平凡な存在であるのか、神が創造した
奇跡であるのか。そのような考察が生じる状況がここにあります。
詳しくは幸運な宇宙を読んでください。

この状況を前提に人間原理による考察が始まります。従って、本来人間原理は量子論や
宇宙論についての基礎知識が必要で三浦氏のゼロからの論証では
この知識が前提になりますが、本書では細かい知識を必要としない議論が主体です。

筆者は人間原理は誤解されることが多く、宗教的な方向に利用されやすいと言います。
本書はそのなかで、論理学に徹した考察により、人間原理を正確に議論するものです。
人間原理について正確な論理学的考察がなされている著書(和書)は筆者のもの以外に
は存在しないのではないかと思います。

ということで、人間原理での実践を通して、論理学を学びたい人にはお勧めです。
私はかなり面白い本であると思いましたが、「論理学入門」として読むとそうでない
可能性のほうが高いと思います。
単に学習というより ★★★★☆
大学1年生くらいでいう「概論」の範囲は"かなり"超えていると思われます。つまり、これは入門書ではありません。

なので、論理学についてすでにある程度の知識があるととても明快な内容になるかと。
この本の有益なところは、論理学の重要箇所について興味深い議論をピックアップして説明しているところですね。目的に応じて「何が」「どのような制限のもとで」論じられるべきか、という点に関して、興味深いことを示唆してくれます。
著者の個人的な意見は多少過激ですが、論理学を使って何かしたい、考えたい、という方にはもってこいの良著だと思います。
ダイエットしすぎ ★★★☆☆
 論理学について,基礎的なことを順におさえたうえで,それがいかに多彩な思考世界に開かれているか,あんな問題もある,こんなテーマについても考えられると,作者は自分が楽しくてたまらない,論理学の国に読者をいざなおうとする。論理学国の住民としては,みせたい名所や奇観がたくさんあるのだろう。
 しかしほかのレビューアーも述べられているように,入門書としては道を急ぎすぎている。わけのわからないまま,あちらこちら引きずり回されている気になる。きっと,倍以上のボリュームで書くべき書物を,NHK BOOKS用に,簡略化しすぎたのだ。フルコースで味わうべき食材を,おにぎりにして詰め込まれたようで,釈然としない。
 立ち読みで,最後のブックガイドを読んで,そこにあげられた入門教科書をまず読む方がよさそうだ。
スリリングな哲学書 ★★★★★
 『論理学入門』というタイトルの是非は措くとして、内容は「人間原理」についての鋭利な哲学的分析である。「宇宙の年齢は137億年」と聞けば、我々はそれを物理学の事実であると考えて、そこで思考を打ち切ってしまう。だが「年齢」とは、「この今までに」過ぎ去った時間である。つまり、「この今」を意識する我々が存在しなければ、「宇宙の年齢」というものもない。「今ここに」我々がいるという「その事実」が、宇宙の生成の様々な物理的過程の解明に不可欠なのだ。これが宇宙物理学における「人間原理」であるが、パスカルを彷彿とさせる壮大な構図ではないか!

 著者は「語用論的背理法」によって、この問題を捌いてゆく。「語用論的背理法」とは、言葉で語られた意味内容の中に、その言葉を語っている主体という言語外の事実を組み込みながら、論理の「境界」を探究する方法である。それは、宇宙の物理学的解明のために、物理的過程を「外から」意識する「我々」の存在とパラレルな事態である。前半の「論理学入門」は、この「語用論的背理法」を導くための序章なのだ。この方法によってデカルトの「我思うゆえに我あり」や独我論などの「超難問」も解けると著者は言う。この点については、評者は必ずしも賛同しないが、本書は哲学の研究者にも読んでもらいたい刺激的な書物である。

非常に読みづらい ★★☆☆☆
論理学に関する特別な知識をもたない私は、この「入門書」の想定された読者の一人であると思うが、そうではなかったようだ。論理学そのものが私には難しすぎるのかも知れない。しかし、入門書とは難しいものをかみ砕いて説明してあるものと思う。その点においてこの本は成功しているとは思えない。最後に極めて個人的な感想であるけれども、この著者の文体そのものが実に読みづらかった。