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第四章では、可能主義の中で最も極端な
様相実在論という思想がうまくいくかどうかを調べます。
この説は「何でもあり」を真っ正直に実践するきわめて効率的な考えであり、
同時に途方もない考えであるため
(なにしろ現実世界以外に無数の世界が本当にあるというのです)、
本気で主張している哲学者が世界に一人か二人しかいないにもかかわらず、
可能世界についての文献では
常に議論の中心になっている重要な思想です。(p14-15)
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時間をかけてじっくり読む価値があります。
難しいのですが、
「本当は重要なことを何も言っていない」タイプの難しさではありません。
三浦俊彦は非常に明晰なことを言っており、
必死に判りやすく、面白く説明しようと努力していることくらいは伝わります。
もともとの概念が難しいだけで、
じっくり読んでいけばその部分は理解できるのです。
で、この本を完全に理解したら、
かなりこの世が違って見えるのではないかと予感させます。
少なくとも哲学も「客観的なアプローチをしよう」
と努力しているのだ、ということが良くわかりました。