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可能世界の哲学―「存在」と「自己」を考える (NHKブックス)

価格: ¥1,019
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本放送出版協会
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最高クラスに難解なのに、刺激的で面白い! ★★★★★
哲学は「可能世界」という考え方を導入することによって、
かなり客観的な議論ができるようになった、ということを、
部外者にもわかりやすく(難しいですけど)説明してくれる本です。

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第四章では、可能主義の中で最も極端な
様相実在論という思想がうまくいくかどうかを調べます。

この説は「何でもあり」を真っ正直に実践するきわめて効率的な考えであり、
同時に途方もない考えであるため
(なにしろ現実世界以外に無数の世界が本当にあるというのです)、

本気で主張している哲学者が世界に一人か二人しかいないにもかかわらず、
可能世界についての文献では
常に議論の中心になっている重要な思想です。(p14-15)
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時間をかけてじっくり読む価値があります。
難しいのですが、
「本当は重要なことを何も言っていない」タイプの難しさではありません。

三浦俊彦は非常に明晰なことを言っており、
必死に判りやすく、面白く説明しようと努力していることくらいは伝わります。

もともとの概念が難しいだけで、
じっくり読んでいけばその部分は理解できるのです。

で、この本を完全に理解したら、
かなりこの世が違って見えるのではないかと予感させます。

少なくとも哲学も「客観的なアプローチをしよう」
と努力しているのだ、ということが良くわかりました。

存在論と論理学の行き来 ★★★★☆
 遅ればせながら論理学の基礎を独学してみようかと思っていた私にとっては,学習意欲を鼓舞してくれる本だった。不正確な言い方になるが,「すべての~」と「ある~」,「必然的に~」と「可能性がある~」などといった論理学の言い回しが,「可能なあらゆる世界」における存在論的な思考に置き換えられること,主語と述語からなる言明は世界認識を表明していることに気づかされた。
 可能世界とはなにかについては,それを実在とする意見としない意見,それぞれがさらに細分されて,結論が出ていないという。個人的にはいわゆる「神」という言葉で表現されるところのものの知において無限の可能世界があり,現実にはいまのこの世界のみがあるのだと思い,それについて論理学的に証明可能かどうかには,それほど興味はない。また「百歩ゆずって全知全能の神の実在を認めて,なぜこの世界だけを実在させたか」との疑問についても,興味はない。それは神の自由意志だと思うから。自由意志で,あえて選んでこの世界を創った。あえて選んでこの花を,その草木を,あの人この人を創った。それが自由な意志によるものゆえに「神はそのひとり子を与えるほど,世を愛された」と信じてしまうものにとっては,それを人間の理屈で理解したいだとか,できるだとか思うのは,頭のよい人ならではの勘違いだと感じる。海の水をコップでくみつくそうとするようなものだ。そんなわけで,作者が力を入れた後半の「世界」と「自己」についての考察は,つまらなかった。