認識論と心の哲学の交差点
★★★★☆
アメリカの哲学者ドレツキによる心の哲学の書。といってもあくまでも認識の装置としての心の問題が論じられており、いわゆる一般的に心というものを論じたものではない。
著者は表象主義という立場をとっており、それは経験を一種の表象と見る立場である。著者は心が表象するその表象とはどのようなものかということを、分析しながら、その役割を規定していく。もとが講義だけあって、明瞭であるのは確かだが、やはりわかりやすいというものではない。それなりのバックグラウンドを知ることは必要だろう。
逆に言えば、まずこの本を読んでみて、また別の同じ分野の本を読んでみて、またこの本をもう一回読んでみるという読み方がいいかもしれない。
本の装丁もきれいで、シリーズものであるので、それらをそろえてみるのもいいかもしれない。